おさげの女
「なびきちゃん!」
私は二年生の教室を訪ねていた。確実になびきちゃんに会うために。
なぜかと言えば、私は目撃してしまったのだ。あかねがまたあのチャイナの子と二人でいるところを。陰でこそこそ聞いていたが、二人で学校の話をしていたのだ。あの子はこの学校の生徒でも何でもないのに。
「どしたのー?」
「待て天道なびき!話はまだ終わっとらん!」
「うっさいわねー、九能ちゃんより優先すべき子ってのはいくらでもいるの。黙ってて」
なびきちゃんは九能ちゃんとやらをあしらって私のもとへ来てくれた。なんだかごめんなさい。
「あの、聞きたいことがあるんだけど」
「情報料は?」
「……教えてくれたら払うから。なんかさ、乱馬くんみたいなチャイナでおさげの女の子、なびきちゃん知ってるよね」
「ほう、君もおさげの女に興味があるのか?」
九能ちゃんさんがあのチャイナの子の写真を私に見せながら話に割り込んできた。なんでこの人があの子の写真を持ってるんだ。
「あの……」
「九能ちゃん、うるさいわよ」
なびきちゃんは私の手を引いて教室から離れた。
「ごめんなさいねー。九能ちゃん、あのおさげの子のことが好きみたいで」
「……天道家にいるの?」
「そうよ」
「なんで?」
「居候だからねー」
やっぱりそうなんだ。一緒に住んでるんだ。
「あの子、何者なの?」
「乱馬くんに聞いてみれば解るんじゃない?」
「や、やっぱり、乱馬くんに関係ある子なんだよね?」
「まぁ、そうねぇ」
「乱馬くんに言えば、会えるの?」
「そうかもね」
なびきちゃんははっきりとは教えてくれない。やっぱり情報料を払わないとだめなのか。
「でも身も心も乱馬くんのものだから、乱馬くんが嫌だって言ったら会えないけどね」
「……何!?身も心も……え、でも、あかねが許嫁で、え?」
「それとこれとは別よ」
じゃああの子は乱馬くんの愛人ってこと?それなのに居候を許されてるのは、皆には双子だって嘘をついてるから?でもなびきちゃんは本当のこと知ってるみたいだし、どうなってるの。
「み、乱れている……」
ショックだ。でも本当のことを知りたい。考えても解らないし、あかねに隠されたって、乱馬くん本人が教えてくれれば問題無いよね。
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