女子トーク
「だーかーらー、出久くんと一緒だって、小学校一緒で友達だっただけだってば」
勝己くんに連れ出された日の放課後は、申し訳無いけど宣言通り上鳴くんに遊んで貰った。だから他の子に詳しく聞かれるわけではなかったのだが、翌日登校してみると、既に登校していたお茶子ちゃん三奈ちゃん透ちゃんに囲われた。
「うっそ!だってあんな爆豪見たことない」
「いつも通りな自分勝手じゃん」
「そーじゃなくてさ!あれ明らかに上鳴に妬いてたし、女子に自分から関わりに行くことなんかないじゃん、絶対慧ちゃんのことどうにかしたいって思ってるよ!」
「うーーーーー」
たしかに勝己くんに直接、他の男に渡す気はないとかいうことは告げられたけども。でもそれってただの独占欲の塊だし、私を特別どうしたいとかいうアレじゃないでしょ。強いて言うなら昔みたいに仲良ししたいだけじゃないの。
「慧ちゃん的には正直なところ爆豪どうなの?」
「友達」
「えぇー?じゃあなんで入学してから全然喋ってなかったのさ?緑谷とはめっちゃ喋ってたのに」
「…態度が気に入らなかったから」
「まぁ爆豪態度悪いもんね」
いつまでもこんな話してたら他の人登校してくるしやめてほしい。うっかり勝己くんって言っちゃったら詮索されるし、爆豪くんって言ってるとこを勝己くん本人に聞かれたらまた怒るだろうし。名前を口にできない。
「でもさ、もし万が一あの爆豪が慧ちゃんのこと好きだったら、慧ちゃん的には有り?」
「三奈ちゃんぶっこむね…!」
ガキ大将の勝己くんが私を。好きだ付き合えと言われたところで、勝己くんは私を手に入れたらそれで満足して完結しそうだ。本当に好きだと毎日言ってくれるくらい好きなら、付き合っちゃうかもしれないけど。
「毎日態度で示してくれるならね」
「あちゃー、デレるとこ想像できないわ」
「人前でデレだしたらちょっと怖いね」
「たしかに」
勝己くんこんな言われようだし、恋愛感情とかあるのだろうか。あったらあんな軽々しくキスとかしないよな。
「あ、噂をすれば」
透ちゃんが呟いたけど、見たら絶対目が合うと思い知らんぷりしていたら、足音がこちらに近付いてきた。
「慧」
まさか名前で呼んでくるとは思わずどきりとする。振り向けば勝己くんはやはり不機嫌そうに私を見下ろしていた。
「おはよう」
「昼飯空けとけ」
「…一緒に食べるってこと?別にいいけど」
「帰りも空けとけ」
「…別に、いいけど」
勝己くんは私の返事を聞いて満足したのか、自分の席へと向かっていった。三奈ちゃんに視線を戻せば、楽しそうな笑顔で私を見ていた。
「絶対気あるでしょ」
小声でそう言い、にししと笑った。お茶子ちゃんも頬を染めて大きくうなづいているし、反応に困ってしまった。
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