教え殺して
「なぁ、慧ちゃんって爆豪と付き合いだしたん?」
勝己くんとほぼ毎日一緒に登下校をし、たまにご飯も二人で食べて、教室でも気にせず下の名前で呼び合うようになって、そのことについて上鳴くんに指摘された。
「違うけど」
「ほんとに違うんか…。爆豪にも聞いたけど違うって言ってて、ちょっと気になった」
「普通に友達だよ。私は昔みたいに仲良くできて嬉しい」
女の子たちにもたまに聞かれるけど、相変わらずの関係だ。勝己くんが私にだけ優しいような気がするのも、私と居ると穏やかなのも、解っているけどただそれだけだ。あれから勝己くんから変わったことを言われるわけでもなく、突然キスしてくるようなこともなく、普通に友達をしていた。
「気になるから、進展あったら報告よろしくな」
「はは、あったらね」
無いと思うけど。
「それよりさ、来週期末テストだけど勉強した?」
「全く勉強してねー!!!」
あんまり詳しく聞かれても困ると思い話をそらせば、上鳴くんは頭を抱えて騒ぎ出した。
「期末は中間と違って演習試験もあるのが辛えとこだよな」
峰田くんは余裕そうな顔でそう呟いた。上鳴くんは正真正銘の馬鹿だけど、峰田くんは普段の行動とは違い成績は真ん中より上だった気がする。
「あんたは同族だと思ってた!」
「アシドさん上鳴くん!が…頑張ろうよ!やっぱ全員で林間合宿行きたいもんね!」
「普通に授業受けてりゃ赤点は出ねえだろ」
「言葉には気を付けろ!!」
緑谷くんや轟くんの言葉は上鳴くんの心に刺さるらしい。この具合だと私も何か言うだけ無駄だろう。私も成績は上位だし。
「お二人とも、座学なら私、お力添え出来るかもしれません」
「ヤオモモー!!」
八百万さんは人徳があるようで、上鳴くんと三奈ちゃんだけでなく、響香ちゃんや瀬呂くん、尾白くんたちまで集まって教えてと言っていた。私も、赤点の不安は無いけど勉強会はご一緒したい。でも大人数は八百万さんも迷惑じゃないだろうか。
「この人徳の差よ」
「俺もあるわ!てめぇ教え殺したろか!」
「おお!頼む!」
勝己くんは人徳が無いおかげで切島くんだけか。じゃあ私もお邪魔しちゃおうかな。
「ね、二人で勉強会するなら私もまぜて欲しいんだけど、だめ?」
「おお、俺はいいけど」
近寄って話しかけに行けば、切島くんは快く返事して、勝己くんの顔を見た。
「好きにしろ」
「ありがと!」
勝己くんは特に表情を変えるようなこともなかったけど、受け入れてくれた。勉強はそんな好きではないけど、楽しみだな。
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