自覚症状が無い
「はぁ!?上鳴と!?」
電気との出来事を、響香に洗いざらい話すことにした。付き合うことになったことと、そうなった経緯を話してみれば、響香は驚いて口を半開きにしたまま私の話を聞いていた。
「いや、そっか…。上鳴はたぶんいつか幸のこと好きになるかなって思ってたけど、幸は絶対嫌がると思ってた」
「え、え?待って響香、なんで電気が私のこと好きになると思ったの」
「うわっ、名前で呼んでんの?ガチじゃん、びっくり」
響香にとっては私の判断が本当に信じられないらしい。そんなにびっくりしなくてもいいのに。
「あいつ高校の時から幸にすっごいなついてたじゃん」
「まぁ、そうだね」
「あれ端から見て異常だったからね。上鳴本人に幸のこと好きなのか聞いても友達として好きって言うだけだし、彼女は他に居たし。そのくせ幸が他の男子と喋ってると割り込むし、幸としゃべってるときめっちゃ笑顔だったし、幸にだけ態度違ったし、」
いやいやいや、そんなことされてたらいくら私でも気付くだろう。たしかに電気はいつでも笑顔でめっちゃ話しかけてくるって思ってたけど、私にばっかりだった?そんなことまで覚えてない。
「最近でもずっとそうだったけど、幸に怒られたり慰められたりしたいから彼女作ったり別れたりしてるのかと思ってた」
「何その性癖怖すぎ」
「でも実際そうでしょ。何かあって呼び出されると絶対幸呼ばれてたし、幸の説教聞きながら幸のことめちゃくちゃ見つめてぼーっとしてたし」
「それはお酒のせいでは」
たしかに毎回、主に私に愚痴を言ってきたけど。話しながらめちゃくちゃ目を見るのは誰に対してではなかったのか。私に対してだけだなんて知らなかった。
「ていうか、それで幸を女として見てなかったとかどの口が言ったの…ドン引きなんだけど」
「…うん、びっくりだね」
「まじでいいの?上鳴だよ?結婚を前提にってまじ?」
「うん…なんか、響香の話聞いたら呆れたけど、ちょっと可愛いなって思っちゃった」
素直に言えば響香は残念なものでも見るかのような目付きをしてため息をついた。
「幸ならもっといい男に出会えそうなのに」
「…それはわかんないけど。でもさ、今の話だと、無意識にせよ電気って私のこと結構好きだったみたいじゃん。高校の時からでしょ?数年間そんな感じで仲良くしてくれててさ、やっと付き合うことになったんだし、しばらく様子見てみたい」
「浮気されたら言いなよ。私も一緒に叱るから」
「ありがと。響香も私のこと好きだよね。私と結婚する?」
「上鳴に睨まれんのめんどくさいから嫌だわ」
響香に一番に報告してよかった。電気が私にどう接していたのかなんて私目線では解らなかったし、新しい発見だ。電気のこともっと知りたいし、皆の反応も面白そうだから他の同級生たちに報告してみようかな。
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