褒められたい
第一回目の試験結果、順位表が貼り出されていた。上の方に自分の名前があるわけがないから最下位の方を見ようと思ったのだけど、なんかすごい上の方に檜佐木修兵という文字が見えて目を疑った。賢い奴だとは思っていたが本当に上位だったなんて。
感動しながら最下位の方を見てみたら、後ろから10番目のところに一色透の名前を見つけた。さすが私、頭が悪い。これまで檜佐木くんにみてもらった勉強とは一体何だったのだろうか。檜佐木くんに怒られそうだ。
「一色」
怒気を含んだ声で名前を呼ばれ、振り向けば檜佐木くんが立っていた。
「奇遇だね、今ちょうど檜佐木くんのことを考えてたところだったよ!」
「そうか。で、この順位は何だ?俺わざわざ時間割いてお前に勉強教えてたよな?」
「うん、そう思うんだけど、なんでだろうね?」
でもまだ私の後ろに9人いるし、檜佐木くんが教えてくれた結果9人も抜かせたんだし、すごいと思うけど。全体のバランス考えたらどんぐりの背比べかもしれないけどさ。
「進級できなかったらどうするつもりだよ」
「え、どうするも何も留年するだけじゃない?」
「その頭じゃ何年留年したって卒業できねぇだろうな」
「そうかなー」
でもここの生活ご飯あるし快適だし、それはそれでいいんだけどな。でも卒業して死神にならないと、実戦とかできないか。それはちょっと、物足りないかも。
「あ、留年したら檜佐木くんに置いてかれちゃうね?私の方が強いのにそれはやだなぁ」
「一言余計だ馬鹿」
「ね、特訓付き合うからまた勉強教えて?次はもうちょっと上の順位に行けるよう頑張るからさー」
「真ん中より上に居なかったら二度と勉強教えないからな」
「えっ、待って、難易度高くない?私がどれだけ馬鹿か解ってて言ってる?」
「その底辺の馬鹿に勉強教える苦労も解ってて言ってるのか?」
それ以上言い返せないのが悔しい。今回だって苦労して勉強教えてくれたのにこんな順位取っちゃったんだもんね。申し訳ない。
「ごめんなさい、頑張ります…」
「よし。んじゃ、引き続きよろしくな」
ぽんぽんと頭を撫でられて、慣れない感覚にどきっとした。檜佐木くんはそのままどっかに行ってしまったのだが、頭に残った感覚が心地よくて、うきうきした。
もっと頑張ったら、もっと撫でてもらえるのかな。だったら本当に、勉強も頑張ろうかな。
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