後輩くん
檜佐木くんが死にかけたあの日から、桃ちゃんと恋次くんとイヅルくんとちょっとだけ交流を持つようになった。檜佐木くんの命の恩人たちなのでうざいくらい可愛がってあげていた。
まぁそんな生活ももうすぐおさらばで、待っているのは霊術院の卒業だ。卒業できたら護廷十三隊の入隊試験が待っている。檜佐木くんは向こうから声がかかってこの試験が無いからずるい。席官候補とまで言われているようで、悔しさと嬉しさが入り交じる。誰が檜佐木くんを特訓したと思ってるんだ。私だぞ。
「恋次くん!一人でご飯?」
いじけていた時に恋次くんを見付けたから声をかけた。恋次くんはおむすびを食べながら教科書を見ていた。
「食べながら勉強なんて偉いね」
「俺頭良くないっすから、少しでも勉強しないとと思って」
「私も頭悪いから苦労したんだよねー。詠唱とか覚えれた?」
「…全然っす。多分皆の半分くらいしか覚えてない気がします」
そう言いながら恋次くんが開いてるページには、鬼道の二十番台の詠唱が書かれていた。もう一回生も終わる頃なんだから、せめて三十番台まで覚えようよ。
「赤火砲と黄火閃と蒼火墜の詠唱覚えとけば試験はなんとかなると思うよ。よく使うし。他のは詠唱破棄でもいいからなんとなくできれば多分大丈夫。恋次くん、剣術とかは得意なほう?」
「えぇ。体使う方なら問題無いっす」
「私と一緒だね。私も剣術と体術だけはすっごい得意で、勉強がほんとダメだったの。だから檜佐木くんに勉強教えてもらってなんとかここまで来れたんだー」
それでもぎりぎり上から半分に入れている程度の成績だ。本気で勉強してるはずなのに檜佐木くんとの距離が埋まらなかったのはちょっとおかしいと思う。
「恋次くんもやばいならさ、イヅルくんとかに勉強みてもらった方がいいよ? あの子賢そうだし頼りになるでしょ」
「そうっすね…」
「なんとかなるって。私でも卒業までこれたんだから」
「…せっかく知り合ったのにもう卒業って、なんか寂しいっすね」
たしかにそうだ。恋次くんてば可愛いこと言ってくれるな。
「寂しいなら、ちゃんと頑張って勉強して死神になりなよ。私が先に入隊して待ってるから。そう思ったら勉強やる気出ない?」
「…そうっすね。頑張ります」
「よし、がんばれ!私も入隊試験がんばるね」
檜佐木くんに置いていかれないように、絶対に入隊試験合格してやらないと。
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