12
あの一件から、幸実ちゃんは十一番隊に顔を出さないまま二週間が経っていた。
隊の奴らはというと、幸実ちゃんが任務に行っていた期間、怪我の治療をしていた期間、僕のせいで来なくなった期間を合わせて長いこと姿を見ていなくて、不満を漏らしていた。連れてこいと責められるのは阿散井だが、彼女がここに来ないのは阿散井ではなく僕のせいだ。阿散井はそれを知っているのか、僕には解らないけど、何とかしてくれと僕に訴えてくるようなこともなかった。
「おめーらいつまでも女に振り回されてんじゃねぇ!!真面目にやれ!!」
士気の下がる隊員たちに、また一角が渇を入れる。ごめんよ、僕のせいで。
「どうせ阿散井が何かしたんだろ?仲直り…はしなくていいから幸実ちゃん連れてこいよ!」
「そーだ!そしたら俺らだってやる気出んだよ!」
「しかたねーっすよ!夏目が来たくねぇって言ってんだから…」
阿散井はそこまで言って「やべ」と声を漏らして僕をちら見した。あぁそうか、阿散井はやっぱり僕と幸実ちゃんにあったことを知っているのか。
「どういうことだよ!俺らが何かしたのか!? えぇ!?」
「そ、そういうわけじゃ、」
「じゃあどういうわけだよ!」
それにとうやら、僕に会いたくないということみたいだ。嫌われてしまったなら、そのままにするのも嫌だし一言だけでも謝っておきたい。そのためにもやっぱり、会いにいかないと。
「阿散井、今日仕事終わったら僕のとこまで幸実ちゃん連れてきて」
「はい!?」
「ご飯奢るからって言っといてよ」
迎えに行きたいけど、僕は幸実ちゃんがどこにいるかなんて解らないし。事情を知っていそうな阿散井が使えるんだから使っておこう。
「連れてこれなかったら、1ヶ月トイレ掃除当番ね」
みんな幸実ちゃんに会いたがってるんだ。別にみんなと幸実ちゃんを会わせたいわけじゃないけど、会わせないと士気が下がって一角がイライラしちゃうから、仕方がない。
それに、僕だって君に会えないのは、物足りない。
- 12 -
←前・次→