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僕と幸実ちゃんがお互いの気持ちを確かめあってから一ヶ月。
顔色を隠しきれない幸実ちゃんのおかげで、僕らの関係は十一番隊の奴らにバレつつあった。というか、ほぼほぼバレていた。

「夏目、少し休憩しろよ」
「え?あ、ありがとう」

阿散井はまぁ元から色々知っていたみたいだし、幸実ちゃんに対して何の気も無かったからいつも通り彼女に話し掛けていた。だが他の奴らは、僕に遠慮してなのか、僕が怖いからなのか、幸実ちゃんにデレデレするようなことがなくなっていた。いいことだ。

「そういやこの前の任務どうだったんだよ。何か任されてたろ?」
「あ、うん。楽しかったよ。怪我もしなかったし、京楽隊長にも褒めて貰えたしね」

えへへ、と嬉しそうに笑う幸実ちゃん。そんな笑顔を阿散井に向けるな、なんてそこまで勝手なことはさすがに言えなくてため息が出る。そういえば僕もまだその話は聞いていないな。

「幸実ちゃん、今日空いてる?」
「えっ、ごめんなさい。今日、伊勢副隊長から、空けといてって言われてて…」
「…そっか。じゃあまた今度でいいや」

ここ一週間は、幸実ちゃんが任務で居なかったり、逆に僕が任務で居なかったりしていたおかげで、二人きりで過ごす時間が持てていない。こうして会えるだけでも嬉しいけど、物足りない。いつからこんなに独占欲が強くなってしまったのやら。

「すねてるんですか?」

幸実ちゃんは嬉しそうに僕の顔を覗きこんできた。

「言うようになったじゃないか」
「嬉しいです」
「…そう。それは何より」

からかわれるのは好かないけど、幸実ちゃんになら悪くないなんて思ってしまうのも、僕が溺れてしまっている証拠なのだろうか。

「覚えておきなよ」
「弓親さんがすねてることをですか?」
「そうやって僕をからかったことをだよ」
「弓親さんがいつも私にすることですよ」
「僕はいいけど君はだめ」
「わがままはよくないですね」

慣れてきたらこれなんだから。もうちょっと意地悪なことでもして、また照れさせてあげないといけないかな。

「阿散井も覚えておきなよ」
「えっ、俺何もしてな…」
「僕らの話を勝手に聞くな」
「弓親さん、恋次くんに厳しい」
「そーっすよ、厳しいっす」
「何か文句でも?」

冷たく言ってみれば、幸実ちゃんも阿散井も黙ってしまう。こんなことでむきになるなんて、僕も大人じゃない。

「恋次くんが可哀想です」

まさか言い返してくるとは思わなかったのに、幸実ちゃんが口を開いた。阿散井を庇うなんて、気にくわない。
怒ったふりして幸実ちゃんの頬を軽くつねった。

「僕に楯突くなんて生意気な口だね?塞いであげようか?」

にっこりと笑って見せれば幸実ちゃんはその意味に気がついたのか、顔を赤く染め上げた。

「期待させてごめんね。また今度ね」
「…はい」

僕ばかりじゃなく、君からの愛情だって欲しいんだよ。だから僕が我慢して君を焦らしたって、バチは当たらないよね。

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