お家デート/灰羽リエーフ




私服、かわいいな…
あ、ちょっと化粧もしてる…自分の家なのに。
俺が来るからってわざわざ準備したのかな…

あー、ちゅーとか、したいな…」

「リエーフ。そういうのは胸に秘めておいて欲しかった」
「え?!声に出てました?!」

彼女の部屋で2人きり。心の声が漏れてしまったけど、まあ至極真っ当な欲求だと思う

「もうちょっと我慢ね」

とはいえ、課題があるから会えないという彼女に、
邪魔しないから一緒にいるだけでも!と無理言って部屋に上げてもらった以上、我儘は言えない

「大丈夫です。一緒にいれるだけで幸せなんで、ちゃんと待てます」

昔ならゴネて我儘を突き通してたけど、2つ年上の彼女と釣り合うために、
彼女に甘えてもらえる男になるために、もうそんなことはしない!…と思う、多分。



「終わった***!!」

その後も暫く難しい顔で机に噛り付いていた彼女から、ようやく眉間の皺が消えた。
伸びをして机に突っ伏したところで、彼女の頭に手を伸ばす。

「お疲れ様です。よく頑張りました」
「……ありがと」
「へへー。先輩いっつも頭撫でて褒めてくれるからお返しです」

触り心地の良い髪を優しく撫でると、上体を起こした彼女の頬がほんのり赤くなっていた。

「リエーフ、最近なんか変わったね」
「!!分かります?」
「あ、うん。なんとなくだけど雰囲気とか……
 ……うん、そんな感じ」
「え?!なんですか!言ってくださいよ!」

何かを言いかけて止めたのが気になって催促すれば、ほんのり赤かった顔が、さらに赤みを増す。
気まずそうに「ん゛**」なんて唸っていたけど、観念したのかボソボソと話し始めた。

「背は高いけどひょろい、って思ってたのに最近逞しくなったし。
顔つきも幼さがなくなって、男の人になったんだなって、よく思う。3年になって精神的にもしっかりしてきたし。

……さっき頭撫でてくれた時の声とか、表情とか、落ち着いてる時のリエーフは、なんか、ドキドキする」

途切れ途切れに話した彼女は、俯いてしまったけど既に耳も首も真っ赤に染まってる。


つまり、これは、キスしていいってこと?


俯いている彼女の頬に手を添えて、そっと顔を上げさせた。

赤い顔と、恥ずかしさから微かに潤んだ目、動揺してる様子の彼女は、
俺の飼い主、なんて言われた時とはまるで違って、ただただ可愛い女の子。

「ほんと、かわいー…」
「リ、エーフ」



彼女の部屋で2人きり。
これ以上は、俺と彼女の秘密、ってことで。
     2015.03.16

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