大学生の木葉秋紀と遠距離恋愛1
高校の時から付き合っている彼女との関係は、進学先は違えど、
バイトとサークルの合間を縫って時間をつくり、まあ順調に続いていた。
「秋紀っ!!内定もらえた!第一希望のとこ!!」
いつもより興奮した様子で本当に嬉しそうに報告してきたのは記憶に新しい。
大学に進学した俺とは違って、短大を選んだ彼女は入学して少し経つ頃には就活を始めていた。
最近はエントリーシートが*、面接が*、と時に弱音を吐く姿を見てきた分、俺も一安心したところで。
ところが内定者の説明会から帰った彼女が今度は深刻そうな表情で資料を眺めている。
「おーい、どうしたー?」
「私の配属先……大阪だって」
聞けば、その会社の本社が大阪にあるらしく、
転勤希望は出せるものの、短くても2年は大阪勤務になる、と言われたらしい。
「遠距離なんて無理だよ。秋紀は絶対に浮気する」
「しねえよ」
「する。絶対に確実に間違いなくする。
空腹で目の前にあるご馳走を我慢できる男じゃない」
「……」
この目は本気だ…
ああ…高3の夏合宿で烏野のマネに声かけようとしてたり、
大学入って浮かれた勢いでコンパ三昧したこと根に持ってんのか…
「大丈夫、大丈夫。電話もメールもあるし、
大阪なんて新幹線でもバスでも行けんだろ、バイト代貯めて会いに行くって」
可愛い女の子に声をかけたって、その場で楽しくお話するだけ、
コンパ行ったって、皆で楽しく飲んでるだけ。まあ連絡先を交換したことは確かにあるけど。
一線を越えたことは一度もないし、お互いが忙しければ会えない期間が続くことは今までもあった。
今まで大丈夫だったんだから、これからだって大丈夫だ、
なんて考えていたこの頃の俺は本当に甘かった。
2015.01.26
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