姉さんの口からそう聞く日が来るとは思ってなかった。
聞き間違いかと思って思わず聞き返してしまう。
が、返ってくる言葉は同じだった。
「どういうこと?」
「勘違いしないで。あなたのためじゃないわ。サンジがあなたに会いたいんだって。」
「待ってよ姉さん!いきなり言われても意味わかんないよ。」
「沙羅。」
途端、姉さんに抱きしめられる。
あたたかい。なんだろうこれは。
いつ以来だ、こんなのは。
「ごめんね。今までありがとう」
そう言ったあと、姉さんは小声で囁いた。
あなたの荷物を全部まとめなさい。
ママにはもう話してるから。好きなように生きなさい。
ママへの挨拶だけは忘れないでね。
それから姉さんと会うことは、二度となかった。