「ママ…」


姉さんが店を出て行ってすぐ、
私は荷物をまとめなさいって言葉を聞かずにママの部屋に来た。
何か知ってると思った。
わけもわからないのに荷物なんか、まとめられないよ。


「ママ、どうしよう、姉さんが…」


ずっと2人で生きて来た。
血の繋がりはなかったし、嫌な思いをさせられたけど、
たった1人の大事な姉さんだった。


「いらっしゃい、沙羅。座りなさい。」


ママは私の心情とは正反対にすごく落ち着いていた。
いつもの椅子に座るとママ特製のミルクティーが出てきた。



「姉さん夜やめるんだって。沙羅に幸せになってもらいたいって言ってたよ。」


「なんで?それに私を、サンジくんに会いなさいって、」


「落ち着いて沙羅。あんたの姉さん、あんたを買えるだけのお金置いていったんだよ。」



それって、つまり



「姉さんはここをやめて新しい人生歩むんだってさ。あんたは姉さんに買われた。もう自由だよ。」




姉さん………。
涙が出た。嬉しさと、ありがとうを言えなかった悔しさで。
いつもそうだ。憎まれ役を買って出て、
大事なところは全て私に取って置いてくれる。
優しくて、強い姉さん。



「さ。荷物まとめな。いってらっしゃい!大丈夫、あんたならやれるよ。」






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