私が生きてこれたのも、今の仕事に出会えたのも、サンジ君に出会えたのも、そして今こうして自由になれたことも、全て姉さんのおかげだ。
私、自分が幸せになれるだなんて
今まで想像したこともなかった。
サンジくんに出会えて、恋の楽しさを知ったんだよ。
でも辛かったな。サンジくんは姉さんのものだったから。
姉さんを差し置いて幸せになることなんて、許されないと思ってた。
でもねサンジくん。
姉さんが私に自由をくれたんだよ。
姉さんを恨むことも妬むことも下に見ることだって
これからの人生絶対にないと思うんだ。
姉さんは最後まで、大好きな姉さんだった。
サンジくん。私は今日あなたに告白します。
聞いてくれますか?
「いらっしゃいませプリンセス。海上レストランバラティエ副料理長のサンジです。」
「サンジくん…」
「奥へどうぞ。」
一級のエスコートを受けて私は個室へと進んだ。
サンジくんが店から連れ出してくれたあの夜を思い出した。
「沙羅ちゃん…本当にありがとう。突然呼び出したのに…美味しい料理、沢山作ったから食べてね。」
「わ、わたしも、お誘い頂いてありがとう。楽しみにしてるね。」
私が自由になった話、
姉さんが出て行ったこと、
そして私の気持ち。何から伝えようかな。
どんな表情で聞いてくれるかな。
胸がいっぱいでどうしようかと思ったけれど
サンジくんの美味しそうな料理が楽しみで
お腹は寂しそうにクルルと鳴った。