真っ暗な闇の中、彼が私の太陽だった。
夜景を撮ると言っていた彼に、どんなに声を掛けても答えは返ってこない。
声が嗄れるまで叫び続け、泣き続けた。草薙さんに落ち着けと震える声で言われ、バーの二回の部屋に押し込められた。
いつも彼が被っていた薄い毛布にぐるぐると包まって、ソファの上で蹲る。
ぼろぼろと涙を流し続けてもう何日経ったのだろうか、少ししか経っていない気もするしもっと経っているかもしれない。
トントンッと扉をノックされ、毛布から少し頭を出すと、薄い紫色のサングラスをかけた男性と、その後ろから、真っ赤なフリルが沢山ついた洋服を身に纏った少女と、真っ赤な髪をオールバックにした男性が入ってくる。
「落ち着いたか?」
「ごめん…」
「お前が謝ることやないやろ」
「ううん、犯人捜し、手伝わなきゃなんないのに閉じ籠ってばっかりで…」
自分一人が泣いてばかりで、他のみんなは犯人探しに街を走り回ってるのに、私だけが立ち止まって、後ろにも前にも動けない。
一人毛布に包まって、蹲って、なんて情けないんだろうか。
「………」
「キング?」
「なんとかなる、だろ」
「!」
ほろり、涙が一粒、頬を伝って落ちていく。あぁ、王様にこんな事させるなんて。本当に情けない。
そうだ、そうだよ、"なんとかなる"。
「名前、大丈夫?」
「…へーきへーき、なんとかなる。ってね」
『へーきへーき、なんとかなる』
目を閉じると彼がいつものように笑ってそう言っている。
アンナの小さな頭に手を乗せて、まだまだ不格好な笑顔を浮かべる。前を向かなきゃ、立ち止まってはいられない。彼の代わりにはなれないが、彼のようになりたいと思う。
包まっていた毛布をとって、綺麗に折りたたんでソファに掛ける。またここに戻ってきてしまうかもしれないけど、その時は弱音を吐いてしまってもいいだろうか。思わず苦笑いが零れ頬を掻く。
「大丈夫、大丈夫だよ」
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