話にもなりきれないネタ詰め合わせ



話にもなりきれない僕と彼のネタ詰め合わせ

四部時期
【前世の僕と彼が鍋をつつく話】

「やあ、形兆。今日は鍋なんだって?」

億泰に聞いたのだろう。しらたきの入ったレジ袋を形兆に渡した彼は、ジャンパーを脱ぐとズカズカと家に入ってきた。溜息をついて、形兆は台所へと戻る。野菜類を切っていると、リビングから顔を出した昊希が声を掛けてきた。

「手伝おうか」
「座っていろ」

こいつに包丁を持たせてはいけない。実際に手伝わせたことがあるわけではないのだが、形兆は彼に手伝わせた際の惨事を強く予感していた。




「おお、水炊き」

家で食べると味噌ベースばかりだから新鮮、だなんて言って、昊希はしんなりとした白菜を取り皿にとる。

「んふふ」

表情を緩ませている様子を見るに、美味しいらしい。形兆はそんな昊希を眺めつつ、うどんばかり食べている億泰の皿に水菜と鶏肉をいれた。






4.何ということのない日々
【最初はロック】

スタンドでのピアニカ演奏にも慣れ、何とはなくピアノを触りに来た昊希だったが、音楽室には先客がいた。

(音石先輩…いや、今生では同い年だから同輩か)

何というか、モヤモヤする。殺された形兆自身が特に何も言わないことを、昊希が気にするのもどうかとは思うのだが、気になるのは確かで、彼との距離をはかりかねる。
――だが、演奏は嫌いではない。
良い顔でギターを掻き鳴らす彼は楽しそうで、観ている昊希の気分も明るくなる。音楽に耳を傾けているうちに、爪先でビートを刻んでいた。
演奏を終えた音石が、晴れやかな笑みを浮かべて右手を挙げる。気付けば、昊希はそれにハイタッチで応えていた。




5.スタンド分析
【トークルーム】
(出来事のタイミングとしては、7.ラストや8.冒頭での話題に出た、承太郎が前世を思い出した頃)

DIO:弟が何故冷たい目を向けてくるようになったのだが
DIO:貴様に心当たりはないか


また返事に迷うことを訊かれたな、と昊希は眉をひそめる。


K2:推測は付きますが、ジョルノさんは貴方に知られたがらないでしょう

DIO:奴と俺の「前世」に関わることか


それに昊希が答える前に、次のメッセージが届く。


DIO:凡そのことは推測できる

DIO:俺は謝らんぞ
DIO:俺が謝罪しては、ジョルノがしてきたことの意味がない

K2:僕も。許せませんし、謝られても困るだけです


別に昊希に、今の彼を責める気はないのだ。ただ、過去に折り合いをつけるには、そうするのが丁度よかったという、ただそれだけの都合で。

(……少しだけ、自分が根に持ちやすい人間である自覚ができてきた)

なるべく、こうした執着は捨ててしまった方がいいのだろう。抱え過ぎては、いつか鬼にでもなってしまう気がした。




8.卒業旅行
【清水の舞台から】

「……助かった」
「形兆の貴重なデレ」
「殴るぞ」

――殴ると決めた時には、既に殴っている。
昊希はずきずきと痛む頭をさすった。

「ばかになったらどうしよう」
「……その心配は必要ないんじゃないか」
「どういう意味だい」




【ドーナツ】
(帰宅後、抹茶菓子たかり中)

「なんだかんだ言ってよぉ、兄貴は昊希サンと仲良いよなぁ〜」
「……」
「分かっているじゃないか、億泰君。そんな君に、この豆腐ドーナツをあげよう」
「夕飯前に菓子を渡すな」




10.IF4部
【お見舞いニキと入院主君】

「止めろッ、それを押すな!」
「いいや! 限界だ、押すね!」

ナースコールぽちーっ







特にどこの時系列というわけでもないネタ
【テレンス】

夜遅くまでゲームをしてたんですよ。午前三時頃まで。
……あの人、気を利かせたつもりなのか、普段台所に立たない癖して、遅く起きた私に、朝食を用意してくれていましてね? 手先は器用なはずなんですけれど、料理はあまり上手くないみたいで、はっきりいってマズかったんですよ。
それが露骨に私の顔に出ていたのか、酷く落ち込まれまして。折角なのではっきり「不味い」と伝えておきました。更に落ち込んでましたね。ざまあみろってやつです。
その癖、私が完食したら、今度は一気にご機嫌の鼻高々ですよ。鬱陶しくて仕方ありませんでした。
こういうことは、これきりにしてもらいたいものですね。むず痒くて敵いません。

……何ですその顔。
仲がいいわけないじゃないですか。変な言いがかりはやめてもらいましょうか。




【兄】

ずっと、「お兄ちゃん」になりたかった。 ――木村昊希

「兄貴」なんて、いいモンじゃなかった。 ――虹村形兆



【ゲームあそぶよ】
(タツヒコ達がゲームしているのを、昊希がポテチ食べながら眺めるだけ。だったはずが、なんか参加してる)

「今回は趣向を変えて桃鉄しよう」
「友情破壊ゲーktkr」
「三人だがCPUはどうする」
「いや、四人だ。そこにもう一人いるだろう」
「え、僕かい?」

「ゲーム経験は」
「すーぱーふぁみこんなら」(前々世で)
「へえ。レトロゲーマー?」
「ゲーマーってほどじゃないけど。LIVEALIVEとか新桃伝とか好きだったよ。あと天地創造」
「程よい知名度の名作」
「実はドラクエってやったことないんだ」
「逆に珍しい」

「僕の名前を『チェリー星人』にしたのは誰だい」
「ごめん」
「よし、コントローラーを少し貸してくれ。『僕だよ仮面』にしてあげよう」
「やめて、社長のままでいさせて」

「すーぱーふぁみこんの桃鉄と一緒だ」
「貴様っ! このゲームやり込んでいるな!」
「VCであることが、まさかこのように影響するとは」
「駅の物件覚えてるとか、どれだけやり込んだんだ」

「ここで僕は『たいらのまさかーど』を使うッ!」

「まさか中盤、あれほどの赤字からひっくり返されるとは」
「でも花京院には届かなかった……物件勝手に売り払われたのが痛かったなあ」

なにやら、楽しい時間となったようです。




【形兆ニキと萩旅行】

「お刺身おいしい」
「食ってばかりだな」

「昔は修学旅行生が多かったみたいだけど、今はめっきり減っちゃって、お客さんが来るのも紅葉シーズンくらいで、宿の経営大変なんだって」
「お前はどこからそういう話を聞いてくるんだ」

幕末の時代を担っていた人が、この辺出身の人多くて、あんまり長く歩かずに歴史の勉強出来る感じが楽しい。

「現地のガイドさんがボランティアで成り立ってるのがすごいよねぇ」

「わーい縦格子」
「京都にもあったあれか」
「扉を開けると…隠し階段! これ、屋敷のどこかに忍者が潜んでいたりしないかな」
「阿呆」

「松蔭先生の歴史館より、道中にあった無料休憩所の音声説明の方が詳しかった気がする」
「蝋人形の館だとでも思っておけばいいんじゃないか」
「どうしよう。そう思うと楽しくなってきた」
「……」

「景観に、夏蜜柑の木が増えてきたね。もとは、大きな戦が長らくなくて、収入の安定しない武士の内職で栽培が始められたのだったかな」
「食うのか」
「食べたいけれど、今の季節は酸っぱいよ。食べるならジャムだね」

「京都の七曲りはすごい七曲り、じゃなくて、なんだっけ……」
「何の話だ」
「この辺りの道……ああ、鍵曲がりだ」

「萩城だー!」
「城なんてねぇぞ」
「城跡だからね。ここが天守閣のあった場所だって。うーん、いいね。ちょっとした水上都市にいる気分だ」

なんかワイワイしてる。




▽学園祭
初等〜高等・大学部の合同で開かれる、規模も大きな学園祭。迷子必至。

【殴り込み】
物騒な集団も見えた気はするけれど、オラしてドラされたそうで、学園祭は平和でした。




【パンフレット】
学園祭のパンフレットについた、屋台の割引券を見た昊希が声を上げる。

「へえ、この割引券面白いね。じゃんけんに勝ったらフランクフルト50円引きだって。形兆は?」
「クイズに答えられれば、ポップコーン無料」

配られたパンフレットによって、割引券が違うらしい。幾通りかの種類があるようだった。
丁度近くにフランクフルトの屋台を見つけ、昊希はそこに立ち寄ることにした。割引券を渡せば、フランクフルトを焼く大学生の横に座っていた、初等部の少年が、椅子から飛び降りて満面の笑みで握り拳のグーを掲げた。肌に直に着たオーバーオール、額に巻いた細布。
――僕は、この少年を、知っているような気がする。
そう思った次には、その答えが出ている。頬に穴こそないが、『じゃんけん小僧』…大柳賢、その人だった。
納得と戦慄が昊希を襲う。――えっ、じゃんけん勝負、するの?

ドドドドドド

(試されている……僕は今、食への欲の強さを試されている……)




【告白劇】
「ずっと、ずっと、何かが足りないと思っていた。僕に欠けていたのは、君だったんだよ康一君!」
「うわ」


【告白劇後】
※露鈴cpネタ

「露伴ちゃん、学園祭で康一君に告白したんですって? ……私がいるのに、浮気かしら」
「君に向ける愛と一緒にしてもらっちゃあ困るぜ。僕にとって康一君は特別なんだ」
「……フーン」
「なんだその目は」
「別に? 拗ねてないわよ」
「拗ねてるのか」
「……妬いてるの」
「〜〜ッ、ああっ、クソッ、一緒にするなと言っただろう! ……君は君で、ちゃんと特別におもっているさ」
「露伴ちゃん……!」
「おい馬鹿、急に引っ付くな!」
「もー照れちゃって可愛い。露伴ちゃん大好きv」

「あのォ〜、いちゃつくなら他所でやってもらえますゥー?」
「仗助君、落ち着いて。凄い顔になってるよ」





【if3部:肉の芽ルート】
DIOに肉の芽を埋め込まれて館にいる

スタンド能力がDIOに似ているので、そのことを喜ぶ肉の芽主。
憧憬の対象であるDIOを「弟」として見て、自身を彼の兄だと思うことで精神安定をはかる。

肉体年齢は七、八歳のはずだが、「DIOのお兄ちゃん」を自称している。
きがくるっとる。

館はいる手前でスタクル勢とぶつかったところでバトって意識失くして、目覚めたらアヴさんがペットショップ戦で負傷してるイギーの治療ついでに財団にコーキ君連れて行ってるとこだった、みたいなかんじ
意図せず死亡勢を戦闘回避させてる展開




【if4部:ニキ死亡・男主生存】
互いが互いに誰かの面影を見ている承太郎と昊希君

形兆の友人だったというので、この町のスタンド使いのことを知らないか、承太郎が昊希の元を訪ねる。ニキ死亡に、昊希はめっちゃしょんぼり鬱っている。

「……ああ。貴方も、寂しいんですね」
とつ、と心臓の弱いところを突かれたような感覚に、承太郎は動きを止める。

承太郎の仏頂面の内面を、遠慮なくつっついていく昊希君。
お互い、誰かを喪ってる者同士で。その口調に、花京院を思い出す承太郎。その仏頂面に、形兆を思い出す昊希君。面影を追いかけて、別人であることを再認識して。
ああ、こいつは花京院じゃないな。花京院は、もっと高潔でどこか繊細なところのあった男だったと、承太郎なら思うだろうし。
ああ、この人は形兆とは違うな、と。形兆は、たとえ間違った道でも、その目的のためなら覚悟を決めてしまえる。その間違いを許さず、いくら困難な道でも、正道を押し通してしまえる承太郎とは大違いだ、と。昊希君ならなるのだろう。

ただ、行動を共にするだけ。楽しいのだけれど、何となく寂しい毎日。
お互いに、何でもない時間に、すーっと肩の力が抜けていって、癒されて、痛みは過去になっていく。
心の古傷は疼いて、けれども常日頃から刺すような痛みを感じることはなくなった。喪った空白は未だに埋められることはなく、ただ空虚とも違う。そこに「居た」証として、残っている。
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