愛あるいは人間証明
第一部、ディオお相手。ほのぼのはしないが、それなりに平穏。

ジョースター家メイド。とあるお貴族様の私生児。後継子がなかったために、貴族家で引き取られ養育されるも、正妻に子ができたため、厄介払いに家を追い出された。途方にくれていたところを、ジョースター卿に雇われる。
諦めのいいレディ。手に入らないものならば、最初から求めない。失われてしまうものならば、自分から捨てる。

ジョナサンに恋していた。自主的に失恋済み。雇用側の人間に従者が恋愛感情抱いちゃ駄目だわ、と芽生え育った恋心とはさようならした。それでも、好きな気持ちが消えたというわけではなく。ただ、思いを成就しようというような、気概のようなものはポイ捨て清算。捨てたものを拾おうとも思いません。


・ディオ
はじめはジョナサンと距離が近いという理由でメイドに近付き、他人のものを奪う・ジョナサンの味方を奪うつもりでメイドに好青年っぷりを見せつけていた。時に口説くも、メイドは全くなびかない。
メイドの様子から、ジョナサンに想いを寄せていることにディオが気付き、ジョースター家乗っ取りにメイドを利用しようとする。ジョナサンを篭絡し、駆け落ちするように諭すような方向で。これをメイドは拒否。
メイドとしての忠誠心は特に関係ない。成就させる気のない想いだと言う。

「手に入れられるものばかりが恋ではありません」
「失い続けていくことで、満たされる気持ちもあるのですよ。いわゆる生産性のない自己満足というやつです。これが結構ハマるんですよね」
「たとえちっとも幸せでない境遇にあろうと、気持ちが晴れやかであれば、それはそれで悪くないのではと思います。穏やかに死ねそうですし」

ディオにメイドは天涯孤独だと思われていた。ジョナサンとくっつくことになれば貴族のバックがつくであろうことが、この段階になって判明。


多分なんやかんやあって、「愛」みたいなものに侵食されてしまったディオがメイドとくっつく。
なんやかんやってなんなのだ……。


「寂しい人ほど、優しさは沁み入りますからね。甘美な毒のようなもので、その刃を鈍らせてしまう」
「私は、私の大切なものを害そうという貴方が嫌いです」

ディオさんには、打算で与えられたものに、喜びを覚える己の惨めさに苦しんでほしい。
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