こころまい
(12月25日に書いた物)

 僕は僕が愛した先生を愛したいはずなのに阻まれてしまっている、先生という概念に。僕は本当に現在手の内にいる芥川龍之介を愛しても許されるのだろうか? 転生した先生は確かに先生なのだろうけれど、生前の先生ではない。なら僕は今の先生を愛していると言えるの?
 僕が愛しているのは生前の先生だ。娘息子がいた芥川龍之介だ。文さんに熱烈な恋文を贈った芥川龍之介だ。木登りが得意だった芥川龍之介だ。目の前にいる先生もなるほどヘビースモーカーだし風呂嫌いだし自然派アンチだし、先生なのだ。でも、何かが、違う。ゲシュタルト崩壊する。
 君と出会って25日目だけど、君は昔の僕しか見てくれないんだね。って悲しい目で先生に言われて、ただただ「ごめんなさい」としか返せない自分が嫌いだ。

 生まれ変わった僕を見て、ってあなたは泣きそうに笑うから、どうしようもなく申し訳なくなってこうべを垂れるしかなかった。

 今の先生も好きだ。この気持ちに嘘はない。ただ、過去のあなたがあまりにも魅力的であるから、どうしてもその後ろ姿から目が離せないだけなんだ。いい加減隣に立てばいいのにね。
 過去のあなたには恋い焦がれていた。でも今のあなたは愛している。なんて言ったらキザだろうか。どこかの誰かの受け売り文句、だけど。

病的



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