賢者の石編 2話
その封筒はレンが待ち望んでいたホグワーツからの手紙で、焦る気持ちを抑えながら封を切ると予想通りの入学案内だった。
「シャル、いる?」
レンが少し大きな声で屋敷の中へと声をかけるとパチンという大きな音とともに、1人の屋敷しもべが姿を現す。
「お嬢様、お呼びでございますか?」
「伯父様に、伝えて欲しい事があるの。」
「シャル、伝えるでございます!何と伝えれば宜しいでございますか?」
「ホグワーツから入学案内が届いたの。返事を出さなきゃいけないんだけど…お返事のサインを貰ってきて欲しいの」
「判りましたでございます!」
大きな瞳を輝かせてそう言うと、レンは小さく微笑んだ。
「いつもありがとう。よろしくね?」
そう言うと屋敷しもべは「勿体無いお言葉」と瞳に涙を潤ませながらバチンッと大きな音と共に姿を消した。
レンの親は死んだと聞かされている。
孤児となったレンを引き取って育ててくれているのは伯父夫婦。
レンの母とは仲が良くなかった為か、レンにはとても厳しく、彼女にとっては恐怖の対象としてしか記憶にない。
レンが直接、呼び出すことも会いに行く事も禁じられており、唯一の連絡方法は伯父がレンの身の回りの世話にと送った屋敷しもべのシャルに伝言や手紙を渡してもらう他、手段はなかった。
2/3
←前へ 次へ→
目次へ