賢者の石編 30話
クィレルが「ご主人様助けてください」と叫ぶとクィレルの中から『その子を使うんだ…その子を…』と、レンが散々悩まされてきた冷たい声が室内に響き渡る。
その声にレンは小さく震え、ハリーはゾッとした様だった。
「判りました…ポッター!ここへ来い!」
手を一回叩くと、ハリーを縛っていた縄が落ち、ハリーはゆっくりと立ち上がる。
クィレルに促されるままに鏡の前に立つと暫くの沈黙が流れた。
クィレルはハリーに夢中だし、今なら…と、レンはクレスメントの力を使い、クィレルの魔法を打ち消す。
するとロープは締め付ける事を止めた。
体が自由になった事をレンはほっとした。
このまま暫く様子を見て、ハリーを逃がせる隙を狙うつもりだった。
「どうだ?」
クィレルは待ちきれずに「何が見える?」と聞いた。
「僕が…ダンブルドアと握手してる。グリフィンドールが寮杯を獲得したんだ」
『嘘だ…』
またしても冷たい声がクィレルの中から聞こえ尚も話し続ける。
『ワシが話す…話すくらいの力なら、まだ残っている』
そう冷たい声が言うと、クィレルはハリーに背を向けていつも被っていたターバンを解き始める。
レンは今だと思った。
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