賢者の石編 31話
『勇敢だ…実に、勇敢だ…ワシはいつも勇気を称える。』
「ハリーのご両親は命乞いなんてしなかった。お父さんは奥さんとハリーを逃がし一人で立ち向かった。それを貴方が殺したんだわ。」
レンが体を震わせながら真直ぐにもう一つの顔…ヴォルデモートを見ながら言う。
ハリーと繋がっている手が勇気を分けてくれている様だった。
「その後、貴方はそれを追った。そして死ぬ必要のなかったお母さんを貴方は殺した。ハリーを守ろうと邪魔したから」
『そうだ…あの時の事をちゃんと覚えているのだな…クレスメントの力とはこうも強いものなのか…無理矢理にでも身籠らせて正解だった様だ』
そうヴォルデモートが言うとハリーは瞳を丸くしてレンを見た。
レンは酷く悲しそうに微笑むと、ハリーと繋いだ手を解いた。
『そう、その子はワシの娘だ…ハリー・ポッター。』
「レンが…ヴォルデモートの…?」
レンは小さく頷いた。信じられないという様な、騙してたの?と言いたそうな…そんな瞳がレンをじっと捉える。
恐れていた事が現実に起こり、今にも瞳から涙が溢れ出しそうだったが、ジッと堪え何よりもハリーを逃がす事を優先しなくてはならないと自らを奮い立たせる。
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