賢者の石編 4話
「やぁ、レン」
その作業が終わるのを静かに待っていると不意に名を呼ばれ、そちらの方を見るとレンは笑みを向けた。
「おはよう、ドラコ。元気そうね」
「あぁ、元気さ。レンも相変わらずの様だね」
ドラコはレンの隣の踏み台に立ち、同じくローブの丈を測りピンで止めてもらい始める。
「レン。もう買い物は済んだのか?」
「いえ、これからだけど…」
「なら、僕と一緒に行かないか?父さんも喜ぶよ」
ドラコや両親はレンの秘密を知る、数少ない人物だった。
知るからこそなのだろうか…ドラコやその両親もレンには良くしてくれていた。
だがレンは純血主義という考えがどうしても受け入れられず、内心苦手意識を持っていた。
ドラコはプライド高くて自分を偉く見せようとするところはあるけれど、自分にはとても優しかった。
純血主義でなければきっと良い友達になれたんじゃないかなと自分でも思う。
だが純血主義でなければレンの秘密を受け入れてはもらえなかっただろう…そうとも思うと複雑な気持ちになった。
ドラコの前では自分を出しても良いのではないだろうか?
「レン?」
「あ…その…ごめんなさい。気分が優れないみたい。また後で…」
ドラコの声で現実に引き戻されると、心配そうにドラコはレンを見つめている。
調度レンの方の作業が終わったのでレンは軽く手を振るとそのまま店を後にした。
ドラコが何か言う声が聞こえたような気がするが、あえて聞こえなかったフリをしてしまった。
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