賢者の石編 6話
「姫君は少々ご気分が優れないようですな。」
「ごめんなさい、少し意地悪を言ってみたくなっただけなの。」
「父上、レンはきっと少し緊張してるんですよ。」
ドラコはいつの間にか同じコンパートメントに乗り込み向かいの席に座ると、そうルシウスに言い、レンが振り返った時には更にクラッブとゴイルも同じコンパートメントに居た。
また視線を窓の外にやると、クラッブとゴイルのご両親もレンを見て一礼をしたので、レンも礼をし返す。
此処に居る人物達は皆、レンを”レン”として見てはくれなかった。
レンはそんな彼らの話を軽く聞き流しながら、ずっと時が流れるのを待っていた。
外には家族と暫くの別れを惜しむ者達ばかりだった。
自分も普通の家庭で育っていれば、ああやって父や母との別れを惜しみ抱き締めあっていたのだろう。
そう思うと孤独感などが心に広がり、それ以上考えるのは止めようと視線を逸らした。
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