賢者の石編 10話
「このクラスでは魔法薬調剤の微妙な科学と厳密な芸術を学ぶ」
事業の始まる時間になると、スネイプが教室にやってくる。出席を取るや否や、猫なで声でハリーをからかうような素振りを見せたので、レンはこの先生とは仲良く出来そうにないと瞬時にそう思った。
この先生は呟くように話すわりには、人の注目を集める事が出来る不思議な人だった。
「このクラスでは杖を振り回すような馬鹿げた事はやらん。フツフツと沸く大釜、ユラユラと立ち上る湯気、人の血管の中を這い巡る液体の繊細な力、心を惑わせ感覚を狂わせる魔力…諸君がこの見事さを真に理解できるとは期待しておらん。一部の者を除いてはな。」
そう言い、スネイプはドラコの方を見たような気がした。
それをドラコは誇らしげに微笑んで見せた。
大演説の後、クラスは少しの間沈黙が訪れハリーとロンはあからさまに不愉快な表情を見せていたので、レンは苦笑を漏らした。
「ポッター!」
すると、急にスネイプがハリーの名を呼び
「アスフォデルの球根の粉末にニガヨモギを煎じたものを加えると何になるか?」
そんなものが授業を始めたばかりの生徒に、教科書を隅々まで読んでないと判るはずがないとレンは思った。
だが、ハーマイオニーは答えが判るらしく手を上げている。
レンはその様子を見ながら、スネイプの出した問題を書き写していった。
“ケチを言わせる隙を与えなければ良い”
そうフレッドが言った言葉が頭を過ぎったのである。
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