賢者の石編 14話
ハーマイオニーは顔を上げレンの後ろをみると、その背後に立つ者がいたのだ。
レンは、背後に気配を感じ慌てて振り返るとそこにはトロールの巨体がこちらを見ている。
気が動転しているのだろう、ハーマイオニーは、レンのマントを掴みさっきまで入っていたトイレに一緒に連れ込み鍵をかけて隠れてしまう。
「ハーマイオニー落ち着いて。トロール相手にこんなところ隠れても…」
案の定だった。
トロールはそのまま手にしていた棍棒を振り上げ、トイレの個室を大きな音を立てて壁ごとなぎ倒していく。
その勢いに、扉という扉は粉々に砕け、レンもハーマイオニーも屈んで避けたが、破片に埋もれてしまった。
冷静さが木端微塵に消え去り、ただ悲鳴を上げレンのマントを強く握り締め続けるハーマイオニーをレンは片手で支え、トロールの攻撃を避け続け様とするが、レンも女の子だ、いくらなんでも1人を抱えながら動き回るにも限界がある。
「ハーマイオニー、聞いて?トロールは私が引き付ける。だからその隙に逃げるの。」
そのレンの言葉に、ハーマイオニーは首が取れそうなほど横に首を振る。
「私は大丈夫。だから、お願い」
彼女は何か言いたげだったが、レンは何も聞かず、扉の破片から飛び出すと、トロールの前に立ち塞がった。
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