ルシウスは畳み掛ける様にまだまだございますぞ。と、口を開いた時だ。
「ガルルルル…」と唸り声が聞こえると、そこには大きな黒い犬が現れルシウスに向かって牙を剥き、ルシウスに噛み付こうと勢い良く飛びかかれば、ルシウスはレンから手を離し咄嗟に跳びのき避ける。
レンは壁に沿って、へなっと床に座り込めば、その前に黒い犬が立ちふさがる様に身構えて唸り続けていた。
「犬如きが目障りな…」
「ルシウス、止めて!その子は私の犬なの。怪我をして森に迷い込んでいたのを森の子達が連れて来てくれたから、治療していたのよ。きっと私の血の匂いで虐められてると思ったんだわ。」
今にもアバダケダブラで殺してしまいそうなルシウスに咄嗟にそう言えば、犬の首に抱きつく様にしそこに顔を埋めてしまうレン。
シリウスの魔力の香りがレンの心を落ち着かせてくれる様だった。
「姫君…貴女は犬がお好きな様で。そういえばホグワーツでも人狼に懐いておいでの様でしたな。奴らも貴女の立場、名の力を利用しているという証拠もございますぞ?姫君が1歳の誕生日の日。あの人狼は姫君に杖を上げ殺そうとし、そしてあのシリウス・ブラックはあの場に居合わせたのにも関わらず、それを止めようとしなかったのです。」
「…それならどうして、私は生きているの?」
「我らが同胞の1人が姫君を攫い救ったのでございます。」
「どうして貴方がそれを知っているの?」
「姫君へのお祝いの品をお持ちした屋敷しもべが目撃していたのでございます。」
「確かに、この屋敷へなら屋敷しもべなら自由に出入りできるでしょうね。…でも…ルシウス。私がヴォルデモートの娘だって知ったら、死喰い人で無い限り誰だって殺したがるわ…芽は早くに摘んでおくべき。そう思っても仕方がない事よ。」
犬の温もりを求める様に頬を擦り寄せ、そして大きく溜息を吐く。