「姫君…貴女は信じる人を間違っておいでです。貴女は彼奴らに利用されているのですぞ?…魔法省はダンブルドアの助言の元3年前、姫君から家族を奪ったのでございます。貴女様を若き当主に祀り立てる為に…賢くもまだ幼く、経験も少ない子供ならば自分達の思う通りに動かす事が出来る…そういう算段だったので御座います。」
「魔法省が…?」
「左様でございます。その証拠なら御座いますぞ。貴女が当主になられたと知ったダンブルドアは驚きましたかな?」
レンはそれに小さく首を振る。リーマスは驚いていたが、ダンブルドアは落ち着いていた…。
いつも通りのダンブルドアといえばその通りだが、揺さぶられた心に、その事実が重くのし掛かってくるようだった。
死喰い人の言葉として受け流すか、幼い頃から気に掛けてくれていた一人の人の言葉として受け止めるべきか…。
大怪我をしたあの時、初めて暖かく感じたルシウスの手を信じたくなってしまう自分が少なからず居る事に自分でも驚いてしまう。
「でも…私は…。」
「それでも考え直していただけませんか?このルシウスが姫君の為を思い助言させていただいているという事を示す証拠はまだまだございますぞ。…これならどうですかな?」
ルシウスは上に上げたままのレンの腕の包帯をそっと撫でると、それは切られたかの様にパラパラと落ちて行くと心臓が飛び跳ね速鳴るのが判った。信じたくない事実が目の前にある。
「その印をあの者達が見たらどう思うでしょうな…あのポッターは、どんな反応をなさるでしょう…賢い姫君ならばお解りではないですかな?」
死喰い人に刻まれた黒い闇の印とは違い、どす黒い血液の色をした闇の印が腕にはっきりと刻みこまれていたのだ。
なにかあってもシリウス達の許可があるまでは取ってはいけない。
それはこういう意味だったのだと痛いほど解ったのと同時にあからさまに動揺してしまい、思う様に言葉が出てこなかった。