ジョージは驚いた様な表情をするも、ぺチッとレンの額にデコピンしてから無理矢理腕の傷を自分に見える様にすれば、思わず固まってしまった様だった。
「…1人にして。」
ジョージは「嫌だね。」と一言言えば、腕を引き寄せてはエピスキーと呪文を唱えるもそれは作動されなく「やっぱりか…」と苦笑すると、手当てし易い様に、とレンを椅子から抱きかかえて下ろし、クッションを呼び寄せそこに座らせると、自分も向かい合わせになる様にそこに座る。
立てた自分の膝にレンの腕を乗せては台代わりにすると、ポケットから軟膏を取り出して傷口に塗り始めた。
ひんやりとしたその変な匂いのする軟膏は、熱を持った腕には心地よく、その上にガーゼをおけば、杖を振るって包帯を巻いてくれた。
「…有難う。」
「どう致しまして。…あの人に会った時、付けられたのか?」
「そうみたいね。…こんなのが無くたって、私の血が穢れて呪われてるって判っているのに…運命がどんなものか判っているのに…嘲笑って煽って愉しんでいるのね…。」
そう呟く様に返すと、ジョージは杖を振るっては呼び寄せたペンを片手に、もう片膝を立ててはそこに左腕を乗せる。
そして「ちょっと見てろ。」とレンの顔を見てニヤリと笑うと、腕に何やら落書きをし始めた。
「よし、我ながら上出来だろ?」
「下手くそね。」
「そうか?」
ジョージは自分の腕に見様見真似で闇の印を描いたのだ…。
それは見事なな出来栄えで、レンは思わず思った事と反対の事を言ったが、ジョージは悪戯っぽく笑っただけだった。
「俺にとってはこんなもんって事だ。そんなもんあったって、俺達の中で”レンが自ら付けた”って、誰も思いやしないぜ?そりゃちょっとは驚いたけどさ。」
レンはその言葉に目を大きくし驚いた表情を向け、ジョージは悪戯っぽく笑うと乱暴にレンの頭を撫で回す。
本当にこの人には敵わないな…とレンは思わず笑ってしまっていた。