「おぉ…これは……クレスメント様…純血の気高き古の魔女様…古き時代に王と崇められていた…あのクレスメントがまたいらして下さった…奥様もきっとお喜びになるでしょう…。」
闇の魔法使いに洗脳された闇の屋敷しもべか…と思えばレンは苦笑を浮かべるしかなかった。
レンの側にいた屋敷しもべはどこか人間じみた所があり、とても良くしてくれていたが…。
正直自分の所に居てくれた屋敷しもべがクリーチャーの様でなくて良かったと思ってしまった自分がいた。
「クリーチャー、これから暫く此処を使わせてもらうよ。勿論正当なるブラック家の継承者の許可済みだ。それにこの子はシリウスの娘だ。無碍に扱う事のない様に頼むよ。」
「ご主人様がお決めになった事ならば、何も申せません…申せませんとも…あぁ、なんと嘆かわしい…。」
クリーチャーはそうぼやきながら、また何処かへゆっくりと歩いて立ち去っていった。
1階の階段下に車椅子を置くと、丁度良さげの壁に「此処はどうだい?」とリーマスはレンに言う。
此処に扉があっても不自然じゃない場所、なのだろう。
レンは其処に手を触れクレスメントの血の力を使うべく意識を集中させれば、其処には1つの扉が浮き上がってくる。
「それにしても不思議な力だね。」
「姿現しの扉版。みたいなものなのかしらね。玄関から居間へ続く通路に扉が出来たと思うわ。開ければ直ぐ居間に出れるわよ。よく目が見えてないから誤差があったらごめんなさい?」
レンが悪戯っぽくそう言うと、それじゃ行こうか。とリーマスはレンを抱きかかえると車椅子を消してその扉を開ける。
「無事に着いた様だな。」
「えぇ、私はずっと座っていただけだけど。」
抱きかかえる役をシリウスが変わるとそう声をかけられ、レンは小さく苦笑を浮かべる。
「好きで負った傷だ、それくらい我慢しなければな。」
意地悪そうにそう言うシリウスにレンは頬を膨らませれば、楽しそうに笑い声を漏らすシリウス。