「まだ形にはなっていないのか?」
「一度…霧みたいなのが出た事はあるのだけれど…それっきりダメみたい。」
「ならば特訓の目標の1つに守護霊の魔法を使えるようになる事を入れておこう。」
お前の守護霊を見たいとシリウスは笑った。
それからシリウスは本部の掃除の合間に色々な魔法や知識を教えてくれた。
学校で勉強をするより有意義な時間でレンはとても楽しく思った。
「心を幸せな記憶で満たすんだ。」
そうパトローナスを使えるようになる為の特訓が授業の最後に毎回行われ、同じ事を言われる。
「満たそうとしているわ。」
何度やっても時々霧っぽいものが出るだけでそれ以上の進展はない。
「何を考えている?」
「ハリーが私の素性を知っても受け入れてくれた時、リーマスが一緒に暮らしてくれた時とかシリウスに逢えた時、シリウスも一緒に居てくれるようになった時、クリスマスパーティに3人で一緒に眠った時…色々幸せに思った事とか思いだしているのだけれど…毎回ダメなの。」
「他の呪文は大体数回で上手くいく。力が足りない訳ではないと思うのだが…。」
シリウスは考えながらそう呟くとレンの方を見る。
「強い幸福感を感じた記憶がいくつかあるのなら、1つ1つゆっくりと試してみると良い。いつか必ず成功するはずだ。」
「えぇ、有難う。頑張るわ。」
そう言うと、今日はこれ位にしておこうと告げ、シリウスは部屋に戻った。
ホグワーツへ戻る日が近付いてくると、シリウスは本部である自分の家の昔母親が使っていた部屋にバックビークと閉じ篭る事が多くなった。