第22話
厨房に入れば其処にはリーマスとトンクス、シリウスの姿があった。
「荷造りは済んだのか?」
何か話をしていたのだろう、それを止めレンの方へ向く3人。
「あーちょっと買い物に行っても平気、かしら…?」
「マルフォイに連れ去られたばかりのキミが、1人で、かね?」
シリウスの眉が顰められた。
また叱られてしまいそうで、ちょっと怖く思う自分に内心苦笑してしまう。
「あっちに居たから、私の事忘れちゃったみたいなの。…ほら、教科書もあるでしょう?」
先程ロンが監督生になったと嬉しそうにしていたモリーの姿を思い出したのだろう、3人は顔を見合わせて笑ってしまっている。
「私が行ってこよう。」
「えー。」
リーマスの申し出に思わず不満の声を漏らしたレンにトンクスは声を上げて笑っている。
「キミはあのトロッコに乗りたいのかい?」
「嫌!」
思わず心底嫌そうな顔で即答してしまうレンに、トンクスは笑いが止まらない様だった。
「レンはグリンゴッツのトロッコ嫌いなの?」
「あれには何度も殺されそうな思いをしたわ。あれは絶対殺人トロッコね。」
笑い泣きしたのだろう、指で涙を拭い口元を笑わせながら問うトンクスに、レンは至って真顔で言うも、トンクスはどこか楽しそうだった。
「なら…「私シリウスと行きたい!」」
リーマスが何かを言いだす前にそれを遮って瞳を輝かせて言うレンに男2人は瞳を丸くした。
「あのね、レン…」
「リーマス、お願い。リーマスだってシリウスにとってこの家がどんなものか判っているでしょう?もう少しで私達は学校に戻らなきゃいけない。嫌な所が賑やかだったから気も紛れていたけれど、そうでなくなった時のシリウスの辛さはリーマスも判るわよね?その前に少しぐらい外の空気を吸って息抜きしたって良いと思うの。少しでも周りの魔力に異変があったら、シリウスを連れて逃げるから…。」
その言葉にリーマスはシリウスの気持ちが判らない訳ではないよ。と、リーマスは心配そうな表情をする。