「じゃ全部で10ガリオンだね、ダング?」とフレッド。
「俺がこンだけ苦労して手に入れたンにか?お気の毒さまーだ、20ガリオンから1クヌートもまけらンねぇ。」
マンダンガスが血走った目を見開いて言い、ハリーはレンと目を合わせるとニヤリと笑んでみせ、レンは小さく首を傾げれば視線がムーディの方を向いており、レンはハリーが何をしようとしているか判ったような気がした。
「ダンクは冗談が好きでね。」
「全くだ。これまでの一番はナールの針ペン一袋で6シックルさ。」
双子は交互に教えてくれ、ハリーは「でも気を付けた方が良いよ。」と注意するハリー。
「なんだ?お袋は監督生ロンにお優しくするので程いっぱいさ。俺達は大丈夫。」
「だけど、ムーディがこっちを見ているかもしれない。」
「そうね、こっちを向いていなくてもあの魔法の目が…」
レンも脅かす様にそう言えば、マンダンガスはオドオドと振り返り唸った。
「違いねぇ。よーし兄弟。10でいい。今直ぐ引きとっちくれンなら。」
マンダンガスは慌ててポケットの中身をひっくり返し双子が差し出した手に中身を空ければ、せかせかと食べ物の方に行った。
「有難う、ハリー。」
フレッドは嬉しそうにそう言えば、双子はそれを直ぐ隠す様に上の部屋へと上がって行ってしまった。
ハリーはその後ろ姿をじっと見つめたまま動かず、レンは小さく首を傾げる。
「ハリー?どうしたの?」
「あー…ううん、何でもない。」
「そう?…何かあったら気晴らし程度でもいいから話してちょうだいね?」
「うん、有難う。ただちょっと…うん…僕、フレッドとジョージに賞金を渡したんだけど、その事が家族の争いにならなければいいなって。」
「大丈夫よ…なんて家族なんて良く判らないけれど、あの2人はパーシーみたいなやり方はしない。もっと上手にやるわ。そして成功させる。いつだってそうだったでしょう?あの人達は人を笑顔にしてくれてるもの。」
「うん。僕もあの2人にそうしてもらいたいなって思ってたんだ。」
そう言うハリーの表情が何処か罪悪感を感じているような複雑そうな表情でレンはハリーと握ったままの手にそっと力を込めた。
「さて、寝る前にマネ妖怪を処理してきましょう。アーサー後はよろしくお願いしますね。あまり夜更かしをさせない様に。」
そう言い出て行くモリーを眺めていれば、ハリーはムーディに呼ばれて其方へ連れていかれてしまう。
リーマスは来ていたキングズリーと話をし始めているし、シリウスも会話に花を咲かせている様だ。
レンはそのままそっと厨房を出た。