第24話
そのまま屋敷に戻り明日に備えようと思ったのだが、モリーが気になりレンは階段を上っていく。
すると直ぐにモリーが啜り泣いている声に慌てて客間に入っては声をかけるも、モリーは我を失い「やめて!リディクラス!」と叫んでいた。
だがマネ妖怪ボガートはモリーが杖を振る度にモリーを嘲笑う様にそれは次々に家族の遺体に姿を変えていく。
「おば様、しっかり!まね妖怪なのよ、本物じゃない。」
モリーを揺さぶり意識を此方へ連れ戻そうとするが、モリーは動揺しそれどころじゃない様に見えた。
アーサー、ビル、チャーリー、パーシー、フレッド、ジョージ…どんどんそれは姿を変え「どうしたの?」とハリーが顔を覗かせた時はボガートはロンの遺体に変わり、そしてハリーの遺体に変わった。
「おば様を今すぐ別の所に連れて行かなきゃ…ハリー、手を貸してくれる?」
レンがそう言うとハリーもそれに頷き、レンはマネ妖怪とモリーの間に立った。
「どうした?」
騒ぎに気付いたリーマスとそれに続きシリウス、そしてムーディが客間へとやってくる。
モリーがレンに視線を向けると、今し方ハリーの遺体だったそれがレンの遺体に変わり、リーマスはそれを見て直ぐ様に状況を理解した様だ。
マネ妖怪は標的をレンに変えると、遺体は身を捩り丸まっていき、黒いくしゃくしゃの髪をした背の高い男性が其処に立ち身構えては「リリー、ハリーを連れて逃げろ!あいつだ!」と叫ぶ。
暗闇から「でも…」と、女性の声が響いた。
「良いから行くんだ!」
「あー!!」
女性が走り去る音と共に、何処からか赤ん坊が叫ぶ声が聞こえると眼鏡の男が瞳を大きくし、レンの名を口に仕掛けたその時レンは大きく溜息を吐いた。
こんな所で…ハリーの目の前でご両親がなくなるその瞬間を見せる訳にはいかない。
「リディクラス!」
ボガートがレンの恐怖はジェームズの死の瞬間の記憶、と判断したのだろう。
レンの目線で見ていた光景がジェームズの姿を目の前に再現されそうになれば、レンは直ぐに杖を振るってマネ妖怪を煙に変えた。