「モリー、もうやめなさい。」
リーマスがきっぱりと言った。
「前の時とは違う。騎士団は前より準備が整っている。最初の動きが早かった。ヴォルデモートが何をしようとしているか知っている。」
ヴォルデモートの名を聞くと怯えて小さくなり悲鳴をあげるモリー。
「あぁ、モリー。もういい加減この名前に慣れてもいい頃じゃないか…いいかい、誰も怪我をしないと保証する事は私にも出来ない。誰にも出来やしない。しかし前の時より状況はずっと良い、貴女は前回騎士団にいなかったから判らないだろうが。前の時は20対1で死喰い人の数が上回っていた。そして1人、また1人とやられたんだ。」
「パーシーの事は気にするな。そのうち気付く。ヴォルデモートの動きが明るみに出るのも時間の問題だ。一旦そう慣れば魔法省全員が我々に許しを請う。ただし奴らの謝罪を受け入れるかどうかは、私には判らないがね」
シリウスがはっきりとモリーにそう言う。
「おば様、私は…騎士団の皆がどんな仕事をしているかは判らないけれど少しでも変化があれば直ぐに気付けるように血の力を使っているわ。そして直ぐにダンブルドアに知らせるし、皆も最善を尽くしてくれる。私の力なんてそんな程度の小さなものかもしれないけれど…少しは安心してもらえる?」
レンは不安げにモリーを見つめて言えば、涙を零しながら優しく微笑んでくれる。
それに嬉しそうに頬を緩ませれば、シリウスがその髪を乱す様に撫でてくれた。
「それに、貴女やアーサーにもしもの事があったらロンとジニーの面倒を誰が見るか、だが」
リーマスはそこまでいうとちょっと微笑みながら言葉を続ける。
「私達がどうすると思う?路頭に迷わせるとでも?」
「私、馬鹿なこと考えて…」
モリーは涙を拭いながら呟き、そう微笑んでくれた。
それからレンは部屋に戻りベッドに身を横たわせ、天井を見つめ続けた。
学校に戻るべきなのだろうか…このまま此処に残り皆の為に動いた方が…
だが、ダンブルドアは、学生の身の方が動き易い事もある。と言ってくれていた…
ならばダンブルドアはホグワーツで私にして欲しい事があるのかもしれない…。
母は…自害する時、私の身をおば様の様に心配してくれたんだろうか…。
レンが手を天井に向け、ひとつ、またひとつと無意味に小さな灯りを天井に向かって上げ思案にくれていた時だ。
コンコンと部屋をノックする声に我に返れば、返事と共に入ってきたのはリーマスとシリウスだ。