第25話
レンが寝たのを確認し、暫くそこで2人は寝顔を眺めては、シリウスは優しくレンの髪を撫でる。
「共に過ごす度に、アクアを思い出す事が多い。この容姿からもそれは仕方がない事だとは判るが…。」
「辛いかい?」
「少しな。最近、色々と思い出しては後悔する日が多い。…だが、それと同時に、レンだけは護ってやらねばと強く思う。母親よりも聡く、我が身を大切に出来ないこの子をな。」
「私も同じだ、シリウス。昔をよく思い出すようになって、ひとつの疑問に突き当たった事があるんだ。」
リーマスのその言葉にシリウスは顔を上げると、首を傾げる。
「我々の知らないクレスメントの力がそうさせている。と言ってしまえばそれまでなんだが…」
「構わない。」
早く話せと言いたげなシリウスに、リーマスは小さく頷くとゆっくりと口を開く。
「キミが脱獄し、ピーターを追い詰めたあの日の事を覚えているか?あの時、赤い瞳のレンを久し振りに見たんだが…まるで別人の様に感じた…その瞳が魅せる魔法なのかもしれないが、人を殺す事をも厭わない。そう思っている様に…。」
「今ならレンはそんな娘ではないとハッキリ言えるが、スニベルスに杖を向けたあの時は…確かに危険を感じた。」
「…私はそう感じてからレンの瞳の色に疑問を抱いて仕方がないんだ、シリウス。元々ヴォルデモートの瞳が赤だったのか他の色だったのかは判らない。だが、トンクスのような七変化の才能のないレインが、感情によって瞳の色を変えてしまうその原因が何処かにあるんじゃないだろうか、とね。」
「あの男が死の淵より蘇って来るという事そのものが普通ではない。ならばその血を引いているであろうレンも普通ではなくても仕方はない。…で片付けてしまえばそれまでだが、何か引っかかる部分はあるのは確かだな。」
それにリーマスは大きく頷く。
「少し調べてみる必要があると思う。…未来を諦めている我等が愛娘の為にね。」