第26話
「レン、何をしてるんだ?」
不意に声をかけられ顔を上げればドラコの姿があった。そして胸には監督生のバッチがついている。
「あら、ドラコ。おめでとう。」
そう言うとドラコは嬉しそうにお礼を言いながら僅かに頬を赤らめた。
「…じゃなくて、何をしてるんだ?」
「あー…1人になりたくて。何処もいっぱいだから、此処で本を読む事にしたの。別に規則違反ではないでしょう?」
「それは…そうだが。誰も探しに来ないのか?」
「探して欲しい訳じゃないもの。そんなもんでしょ。」
「傷は?」
「治ったわ。」
レンがそう言い腹部をたくしあげ、傷跡の様に紫の線が残った腹部を見せれば、ドラコは安心したように息を吐いた。
「僕の所に来ると良い。クラッブとゴイルしか居ない。」
「言ったでしょう?1人になりたいの。」
「それじゃ監督生の命令だ。こんな所に置いて行けない。一緒に来たまえ。」
「ちょっと、ドラコ!待って…私は1人で…」
無理矢理レンを引っ張り、もう片手には荷物を持ち連れて行かれる。
この子にこんな強引なところがあったんだ…なんて感心していれば、ガラッとひとつのコンパートメントの扉が開いた。
其処に姿を現したのはハーマイオニーだ。
「そういう事に使ってはいけないと先生が仰ったでしょう!?レンを返してもらうわ!」
ハーマイオニーは何を勘違いしたのかは知らないが強くそう言うと、レンの片腕を掴み力任せに引っ張った所為で、転びそうになったところをロンが支えてくれる。
ハーマイオニーは次々にレンの荷物を奪い取れは「ご苦労様!」と一言言いピシャリと扉を閉めてしまった。