「私飛ぶのが下手なのよ。…もっとうまく空を飛べたら良かったのにって。そうしたら…。」
「そうしたら?」
「貴方達ともクィディッチの話題で盛り上がれるでしょう?」
ディーンはそんな事?と可笑しそうに笑った。
シリウスと同じ犬も嬉しかったけれど…出来れば母と同じ鳥になりたかった。
スニッチ代わりに逃げ回れば良い練習にもなるだろう…それともブラッジャーがわりに飛び回って皆に悪戯しようか…。
母はあのトロッコが好きだと言っていた。
なら、あんな感じのスピード狂な運転を箒でもしていたのだろうか?
人間ブラッジャーなんて呼ばれている双子と良い勝負が出来ただろう…。
どうして、もっと仲良くなりたい…そう思う人達は皆飛ぶのが得意なのだろうか…。
レンはそこまで考えハッとした。
そんな事、自分には贅沢な事だと思っていた自分が"もっと"と貪欲になっている。
自分には許されない事だと思っていたのに…。
そんな自分がとても醜く思えてしまい、レンは更に気持ちが落ち込んだのが判った。
「レン、どうしたんだ?」
ウキウキしているハリーを引き連れ、ハーマイオニーと口論しながらやってきたロンは、レンを視界に移せばすぐさま不思議そうにする。
ディーンがニヤリと笑い「レンは…」と言いかけ「余計な事言わないで。」と沈んだ声で言うレンに苦笑を漏らし、レンはギーっと不吉な音を立てて開いたスネイプの教室の扉の方へさっさと歩いて行ってしまった。
後ろの方に座ればその隣にロン達3人が座った。
「静まれ。」
スネイプが戸を閉め冷たく言うと、その音に皆言われるまでもなく静まった。