「本日の授業を始める前に」
スネイプはマントを翻して教壇に立ち、全員をジロリと見た。
「忘れぬ様はっきり言っておこう。来たる6月、諸君は重要な試験に挑む。そこで魔法薬の成分、使用法につき諸君がどれほど学んだかが試される。このクラスの何人かは確かに愚鈍であるが我輩は諸君に精々OWL合格すれすれの『可』を期待する。さもなくば我輩の…不興を被る。」
スネイプは今度はネビルを睨む様にみれば、ネビルはゴクリと唾を飲んだ。
「言うまでもなく、来年から何人かは我輩の授業を去る事になろう。我輩は最も優秀なる者にしかNEWT(イモリ)レベルの魔法薬の受講を許さぬ。つまり、何人かは必ずや別れを告げると言う事だ。」
スネイプはハリーを睨み薄ら笑いを浮かべた様な気がした。
「しかしながら、幸福な別れの時までにまだ一年ある。であるからNEWTテストに挑戦するつもりか否かは別として、我輩が教える学生には高いOWL合格率を期待する。その為に全員努力を傾注せよ。」
そう言うとスネイプは授「今日は普通魔法使いレベル(OWL)試験にしばしば出てくる魔法薬の調合をする。『安らぎの水薬』。不安を鎮め、動揺を和らげる。注意事項。成分が強すぎると飲んだ者は深い眠りに落ち、時にはそのままとなる。故に調合には最新の注意を払いたまえ。」
レンはそう説明するスネイプの言葉をメモしていると、ハーマイオニーが背筋を正し、最新の注意そのものを表現していた。
「成分と調合法は…黒板にある。」
スネイプが杖を振るうと黒板が現れる。
「必要な材料は全て…薬棚にある。」
もう一度杖を振るうと薬棚の扉が開いた。
「一時間半ある…始めたまえ」
スネイプがそう言うと生徒たちは次々に薬棚の方へ向かい、必要な材料を取り始めていた。
レンはそれを横目にまずは調合方法をメモする。
書いて頭に入れておくのだ。
この薬は先程4人で話していた通りとても面倒なものだった。
混合液は正確な回数かき回さなければいけないし、初めは右回り、それから左回りだ。グツグツ煮込んで最後の材料を加える前に炎の温度をきっちり定められたレベルに下げ、定められた何分かをその温度に保つのだ。
だがこれも脱狼薬に比べると楽なものだ。