第31話
「ハリー…」
そう呟き零したレンとロンとハーマイオニーの3人は視線を合わせ複雑そうな表情をした。
レンは自分の物を教壇に提出し戻ろうとした時、ゴイルが自分の薬を瓶に詰め込んていたが、それが火を吹き燃えあがれば、ゴイルのローブを焼き、そして隣を通ったレンにも飛び火した。
レンは慌てて手を引きその火を消し、ゴイルの火も消してやれば「ごめん」と小さく謝っただけだった。
「クレスメント、此方へ来たまえ。」
ゴイルにまともに謝ってもらえる事があるなんて…とレンは思って驚いてしまえば、直ぐ様スネイプに呼ばれ、ロンとハーマイオニーに先に行っていてと声をかけスネイプの元へと行く。
スネイプは裏の出入り口から準備室の方へとレンを連れて行くと、燃えた腕を確認してくれた。
部屋に入った途端、慌てて確認する様は…きっとここにあるその印の事を知っているのだろう…。
「直ぐに消しましたから…大丈夫です。」
スネイプはそういうレンの言葉も聞かず、包帯を取りそこを確認する。
露わになったその印が視界に写ればレンは思わず腕を引き、其処に爪を立てて顔を逸らしてしまう。
この印がある自分自身が、今まで以上に穢れた存在に思えてならない…。
爪が食い込み、腕からは血が滲み腕を伝って行く。
「そんな事をしても消えはせぬ。…気をしっかり保つ事だ。」
壊れ物を扱うかの様にそれを退けて止めさせ、杖を一振りすると直ぐにまた包帯を巻かれた。
「堪え難くなった時は我輩の所へ来なさい。薬を煎じよう。」
「…有難うございます、スネイプ先生。」
俯き続けるレンにスネイプは心配そうな眼差しを向けられ、レンは小さく苦笑をすれば軽く頭を下げてその場を後にした。
大広間へと向かう最中、レンは荷物をぎゅっと握りしめて俯いていた所為で誰かとぶつかり尻餅をつき、慌てて謝りその人の方を見上げれば、怒りが爆発しているような様子のハリーだった。
「あー…ごめん。大丈夫?」
そう言いレンに手を差し出してくれ、その手を取り立ち上がればレンは小さく頷いた。