「黒板の第3にあります様、授業では実践的な枠組みに“当てはめる”事が目的です。魔法省やアンブリッジ先生のお考えでは、わたくしども生徒が“襲われる”という状況が起こるとは考えてはおりません。よって、理論で学び“当てはめ想定する”事で知識として補い、杖を振るうという事は一切ない。…と、アンブリッジ先生はお考えなのだと把握しております。」
レンは自分の声が自分が思ったよりも冷たい声色に少々驚くも、アンブリッジは嬉しそうにレンに微笑みかけた。
「良く出来ました、ミス・クレスメント。理解が早いと助かります。座って宜しい。」
「はい、アンブリッジ先生。」
いちいちこの返事はどうにかならないのだろうか…と、思いつつもゆっくり座り、小さく息を吐いた。
「魔法を使わないの?」
「わたくしの授業で発言したい生徒は手をあげる事!ミスター…?」
ロンは手を高くあげ「ウィーズリー」と答えた。
アンブリッジ先生はますますにっこり微笑みながら、ロンに背を向けた。
ハーマイオニーとハリーが直様に手を挙げたが、アンブリッジは一瞬ハリーを見てからハーマイオニーを指した。
「はい、ミス・グレンジャー?他には何が聞きたいの?」
「はい。闇の魔術に対する防衛術の真の狙いは間違いなく防衛呪文の練習をする事ではありませんか?」
「ミス・グレンジャー。貴方は魔法省の訓練を受けた教育専門家ですか?」
アンブリッジは優しい作り声で聞いた。
「いいえ。でも…」
「さぁ、それなら、残念ながら、貴女には、授業の真の狙いを決める資格はありませんね。貴女よりもっと賢い、大人と認められている魔法使い達が、新しい指導要領を決めるのです。貴女が防衛呪文について学ぶのは安全で危険のない方法で」
「それがなんの役に立つ?」
ハリーは大声をあげた。
「もし僕達が襲われるとしたらそんな方法…」
「挙手、ミスター・ポッター!」
アンブリッジ先生は歌う様に言った。
だがハリーが拳を宙にどれだけ浮かせようとアンブリッジは背中を向け其方には視線を向けなかった。
だが今度は何人かの生徒も手をあげている。