「寝るまでで良いの…傍に居てって…甘えても良い?」
「「喜んで。」」
そう嬉しそうに言ってくれる2人の声がレンは嬉しかった。
薬を飲んでいた為に眠るのは早く、直ぐに規則正しい寝息が聞こえればジョージの頬が緩む。
「何してても可愛いんだから狡いよな。」
「可愛いのは認めるが、それは重症ってもんだぜ。」
「そうかもしれない。」
そう笑いながら部屋を後にする2人だった。
次の日から、レン以外の者達は忙しなく働き始める。
そう、あの本部となる家の大掃除だ。
掃除はシリウスやモリーを筆頭に行われていき、それに悲鳴を上げるのはクリーチャーだった。
それもその筈で、今まで守ってきたブラック家の様々な品物が、シリウスの独断で捨てられていくのだ。
彼にとっては宝物でも、シリウスにとっては忌まわしき不必要な物。
要らないと判断され、捨てられてしまう前に、様々な品物をクリーチャーは自分の部屋に持ち帰るので大忙しだった。
レンはそんな一連の様子を、掃除が終わった階段の隅に座りながら雰囲気を感じて楽しんでいた。
そんな中、一番驚いた事があった。
何かが出たのかそれに驚き悲鳴を上げた声がしたのに少し驚いたが、その後起こった出来事に比べれば優しいものだった。
そう、その悲鳴に反応するように、耳を劈き血も凍る恐ろしい叫びに室内全てが包まれてしまったように感じた。
「穢わらしい!クズども!塵芥の輩!雑種、異形、でき損ないども。此処から立ち去れ!我が先祖の館をよくも汚してくれたな…ッ!」
レンの心は一気に不安と恐怖で包まれる。
何が起こったのか全くもって判らない。