レンが確認をしようと瞳にかかる包帯に手をかければ、それをリーマスによって止められる。
一言「大丈夫。ただの肖像画だ。」と言えば、肖像画の両サイドにある虫食いだらけのビロードを元に戻そうと奮闘する。
「黙れ鬼婆!黙るんだ!!」
モリーもハーマイオニーも皆がそれを閉めようと頑張っていたが、それはピクリとも動かず、皆が諦めかけた頃、シリウスは怒鳴り始めるが、向こうも躍起になり叫び声を上げ、そこに居る者達を罵り続ける。
レンはゆっくりと立ち上がり、壁伝いに其方へと行けば、途中でジョージが支えその場へと連れて行ってくれる。
「有難う、ジョージ。」
肖像画の所まで連れてきてもらい、そう言えばぴたりとその叫び声が止んだ。
それに驚いたのはレン本人でもあるが、シリウスも驚きを隠せない様子だった。
「あぁ…クレスメント…また貴女様のお姿を拝見できる日がこようとは…」
そう叫びが止んだ隙を狙い、リーマスとシリウスは思いっきりカーテンを閉めた。
「あの人は…?それに私、会った事ないわよね…?」
「あの肖像画は私の母で、この肖像画が言っていたクレスメントとはお前の祖母の事だろう。」
シリウスはそう簡潔に言えば、言葉を続ける。
「幼い頃に…お前の母親と婚約をした時に会った後、1度会ったくらいで、私も殆ど知らないがな。」
どう見ても純血主義者のシリウスの母親が、祖母(らしい)の事を愛しそうに呼んだ。
となれば祖母は純血主義者だったのかもしれないとレンは思い、それと同時に2年生の時に出会ったヴォルデモートの記憶…若かりし父の姿に出会った時を思い出した。
若き彼はレンに愛しそうな眼差しを向けていた。