「ダンブルドア先生。」
「どうしたのかの?」
ダンブルドアの瞳はいつもの様にキラキラと輝いている。
「お食事が終わってからで良いのですけど…ひとつお訊ねしたい事がありまして…。」
「良かろう。ちょうど終わった所じゃ。戻りながら話でもしようかの?」
「はい。有難うございます。」
レンはダンブルドアの隣を歩きながら何ていうべきか悩んでいた。
「あの…さっき、癒しの力を使ったら、その…喉の奥から血の香りがしたんです。」
レンがそう言うとダンブルドアは軽く指を動かした。
きっと聞かれぬ様結界を貼り、近くにいる者には違う言葉が聞こえる様にしたのだろう。
「よく眠っているかの?」
「あー…昨日はあまり。」
「レンは騎士団全員の魔力に異変があれば気付く様、知らせがいく様、力を使っておる。それは逆に言えば四六時中力を使い続けておるのと同じ事じゃ。それはその体に大きな負担をかけてしまうじゃろう。少しは休みなさい。」
「でも休んでいる間に術を解いた時に誰かに何かがあったら、それこそ私は自分を許せません。だから出来ません。」
はっきりとそう言い切るレンに、ダンブルドアは優しく頭を撫でてくれる。
「ならばあまり夜更かしをせず、身をゆっくりと休めてやる事じゃ。」
「はい…あの、先生。ハグリッドは…。」
「国外におる。魔力に変化はないのじゃろう?」
「はい。本人がなんとも思ってない程度の怪我とかはあるかもしれませんが…今のところ何も。」
「ならば大丈夫じゃ、時期に戻るじゃろう。」
これでこの話はおしまいだ。と言いたげにダンブルドアは指を動かし魔法を解く。
「もう大丈夫かね?」
「はい。夜更かしは程々にします。おやすみなさい、ダンブルドア先生。」
「良い夢を。おやすみ。」
優しくにっこり微笑んでダンブルドアは校長室へと戻って行った。