「レン、風邪ひくよ?」
「…あ、ハリー!お帰りなさい。貴方を待っていたの。」
「僕?」
ハリーはそう言うと隣に座り不思議そうにしていた。
「あの女の事だから…なんか酷い罰則を受けたんじゃないかって思って…。」
本を閉じハリーに向き直りそう言うとハリーの手が僅かに隠れるように動きレンはその手を取る。
その甲には赤く切り傷の様なミミズ腫れが残っていた。
「拷問道具…か、なにかね…そんな香りがするわ。」
「…書き取りをさせられてただけさ。」
「書き主の血をインクにその身に文字を刻む羽ペンかしら?」
ミミズ腫れの傷口
書き取り
傷跡からは魔法の香り
これらからありそうな物で言ってみればハリーは「知ってるの?」と言いたげに瞳を丸くする。どうやら正解だった様だ。
ホグワーツでの罰則は書き取りがメイン。多分だが、そんな言葉を聞いてその道具を用意したのだろう。
こんな罰則の道具を用意するなんて、アンブリッジという女は本当に嫌な女だと思ってしまう。
「ハリー、私が他の先生やダンブルドアに言おうと言っても、貴方は反対するんでしょう?」
「うん。知られたくない。彼奴に負けたくない。」
「そう言うと思ったわ。だから私も過度な心配はしないわ。私に出来る事は少ないけれど一緒に戦わせて?」
「一緒に罰則受けるとか言わないよな?」
「代われるものなら代わってあげたいけれどね。私そういう痛みには慣れているの。」
「ダメだよ?」
「判っているわ。ポリジュース薬を作るにも1ヶ月かかってしまうし…でもして欲しい事とか私に出来る事があったらなんでも言って欲しいの。」
それじゃ…少しだけこうして。とハリーはレンの手を握り肩に頭を乗せた。
レンは優しく手を握り返し、背を撫でる。
「なぜだかわからないけど…「こうしていると落ち着く、でしょう?」」
レンが休みの時に言われた事を思い出して言えば、ハリーは小さく笑って「うん」とだけ答えてくれる。
「レンに頼ってばかり守られてばかりはいけないって思ってるんだけど…敵わないなぁ。」
「頼ってもらえないなんて私寂しいわ。私が必要なくなってしまったみたいな気持ちになってしまうもの。」
「そんな事ない!」
「なら、頼ってあげて?私の精神安定剤がわりに。」
ハリーは何それ、と小さく笑ってくれる。