それから毎晩レンはハリーの帰りを待った。
帰って来たのを確認すれば、血が出ていれば止血し、傷を癒す為ではなく、痛みを和らげる為に力を使った。
そしてその後一緒に宿題をやる。そんな1週間だった。
その週の金曜日、キーパーの選抜が始まる。
「自信持って頑張って。」とロンの背中を押して見送り、暫くして談話室に戻って来たロンはお祭り騒ぎだった。
「受かったんだ!」
「おめでとう。」
レンがそう言うとロンは顔を赤くして嬉しそうに「有難う」と答える。
この騒ぎなら、レンが少し席を外しても誰も気付かないだろう…レンはそう思いこっそりと談話室を後にし、絵の近くでハリーを待った。
暫くするとハリーは苛々した様な複雑そうな表情をして現れ、レンはハリーに駆け寄ると驚いたような表情を見せる。
「ハリー…手が…」
手から血が滴り落ち、レンは慌ててその手を取れば止血と痛み止め程度の力を使い癒す。
「本当に傷痕は消さなくて良いの?」
ハリーは大きく頷いた。
「ねぇレン、聞いてくれる?」
「えぇ」
ハリーは今し方、アンブリッジがハリーの手に触れると額の傷痕が傷んだんだと小さな声でレンに伝えればレンは考える仕草を見せた。
「まず、クィレルの様にアンブリッジに取り付いている。という線は限りなく低いわ。だって彼奴からヴォルデモートの魔力は感じない。それに、あのおばさんにヴォルデモートがついていたらまず私を排除なんて言わないわ。ルシウスが何度も私を連れ戻そうとしたんだもの…。そう考えると…多分だけれど、ヴォルデモートが何か怒りの様な事を感じていたか、その傷が、というよりもハリーのお母様の残した守りが、警戒しなさいっていってくれているのか…のどちらかかと思うの…あのオバさんはただ権力が大好物の邪悪なガマババァってヤツにしか私は見えないわ。」
レンの口から「ババァ」なんて聴けるとは思わなかったとハリーは小さく笑い、そうかもしれない。と小さく頷いてくれ、深呼吸してから2人で談話室に戻った。