「ないわ。魔力はちゃんと感じてる。時折焦りの色は感じるけれど恐怖の色も感じない。」
「なら問題はない。レンは騎士団員全員の魔力が正常かどうか常に監視をしている。それが感知していないのなら無事だ。時期に戻るだろう。いいか?ハグリッドの事を嗅ぎ回ってはいけないよ。より注目を集める事になる。それはダンブルドアも望んではいない。」
そう言うも、レン以外の3人は気が晴れない様だった所為かシリウスはホグズミードの日はいつかと言葉を続ける。
犬になって行くつもりだ、と言うシリウスの言葉にレンは心が明るくなった気がしたが、すぐにハリーとハーマイオニーが大声で「だめ!」と言いレンは直ぐに気持ちが落ちた気がした。
「マルフォイが汽車の中で言った事なんだけど、アイツおじさんが犬だって気付いたみたいなんだ。だから来ないで…マルフォイがまたおじさんを見つけたら…」
「判った判った。言いたい事はよく判った。」
シリウスは酷くがっかりした様な様子を見せた。
「でもシリウス…私、逢いたい。」
レンが声を絞り出す様にして言うとシリウスの瞳が優しい色に変わる。
ハリーも「僕も逢いたいよ」と言い、言葉を続けた。
「でもおじさんがまたアズカバンに放り込まれるのは嫌だ。」
「キミは私が考えているほど父親似ではないな。ジェームズなら危険な事を面白がっただろう。」
シリウスは暫しの沈黙の後、口を開き冷ややかな声で言った。
「でもシリウス…」
レンとハリーが声を揃えてそう言うと、そろそろ行った方がいい。クリーチャーが階段を降りてくる音がする。
「それじゃ次に日の中に現れる事が出来る時間を手紙で知らせよう。いいか?その危険には耐えられるか?」そう言うとボンっと小さく音を立ててシリウスの顔は消えて行った。
「私…」
「ダメよ、レン。」
「まだ何も言ってないわ。」
「何を考えてるかくらい判ります。ハリー、レンに地図を貸したらダメよ。この子、逢いに行こうとしてるんだわ。」
まさかという表情をするもレンは不機嫌そうな表情をしてしまう。
「手を貸していただかなくて結構。それと罰則をしたければどうぞご自由に。」
寝るわ。と一言漏らしレンは寝室に向かえば溜息をひとつ漏らしたハーマイオニーがいた。
「あの子、今色々といっぱいいっぱいで余裕がないのよ。私達が支えてあげないとダメなの…でないと、レンがレンでなくなってしまうかもしれない…。朝が苦手なあの子が朝早くに起きてるし、夜遅くまで魔法の勉強をしてる…まるで考える時間を無くそうとしてるみたい…その上四六時中騎士団員の監視なんて…血を吐いたのも体に負担がきている証拠だわ。」
「でも僕、解るよ…考える隙がなくなるほど何かをしていたいって思う気持ち。眠ればあの時の夢を見るから嫌でも考える。」
ハリーはそういうと階段をじっと見つめ、そろそろ寝ようとハリーも寝室に戻った。