第38話
闇の魔術に対する防衛術の授業を待つまでもなく、アンブリッジに会う事になった。
薄暗い占い学の部屋で夢日記を引っ張り出していると、一緒して良い?とネビルが声をかけてきてレンはにっこりと笑う。
その時、アンブリッジが床の跳ね戸から現れるとペチャクチャと楽しげだったクラスがたちまちシーンとなった。
突然騒音のレベルが下がったので、教科書の夢のお告げを配りながら霞の様に教室を漂っていたトレローニーが振り返った。
「こんにちは、トレローニー先生。わたくしのメモを受け取りましたわね?査察の日時をお知らせしましたけど?」
トレローニーは甚くご機嫌斜めの様子で素っ気なく頷き、アンブリッジに背を向けて教科書を配り続けた。
アンブリッジはにっこりしたまま手近の肘掛け椅子の背をぐいっと掴み教室の一番前まで椅子を引っ張っていき、トレローニーの椅子にほとんどくっ付きそうな所に置いた。
それから腰掛け花模様のバッグからクリップボードを取り出し、さぁ、どうぞ?と期待顔でクラスの始まるのを待つ。
トレローニーは微かに震える手でショールを固く体に巻きつけ、拡大鏡の様なレンズを通して生徒達を見渡した。
「今日は、予兆的な夢のお勉強を続けましょう」
ネビルは自分が見た夢の事をレンに話し、レンがそれを教科書を参考に調べようとしているところにトレローニーはやって来て、一緒にネビルの夢について聞いていた。
だがアンブリッジはそれを妨害しているつもりはないのだろうが、いくつかトレローニーに何年勤めているのか、『第二の目の持ち主』だとか、色々質問し、最後に「わたくしの為に何か予言をしてくださらない?」と言えばトレローニーを憤慨させる。