レンはマートラップの触手を裏ごしし酢につけた溶液を作ればそれを瓶に入れ、ロンに渡した。
「傷が酷いようだったら、それに手を漬けてあげて?そうすれば痛みも傷も楽になるはずだから。」
「キミはどうしてそんな事まで詳しいんだ?」
「私の伯父がどんな人か忘れたの?あんな事がこんなふうに役立つとは思わなかったけれど。」
そう言うと、ロンは「あぁ…」と思い出したかの様に良い、判ったとそれを預かってくれた。
2人の怒りを買ってしまった事は悲しいが、だがこれで自由に1人で歩きまわれるとレンは少しほっとした。
夜、ご飯を大広間で食べ終えた後、リーマスが言っていた図書室の角の本棚の所まで来る。
リーマスは此処にレンの好きな本があると言っていたが…確かにある本はレンが興味を持つような本ではあったが、格別に今読みたいという訳ではなかった。
レンは何か見落としがないか、この本棚の何処かに気分が跳ね上がる本がある筈だ。と一番上から丁寧に本を見ようと本棚に手を触れた。
『汝を現す秘密の言葉を述べよ』
そう頭の中に響き渡りレンは慌てて手を退かしてしまう。
キョロキョロと辺りを見渡しても其処には何もない。
レンは取り敢えず…と「秘密は…シークレット?」と答えれば、違う。と頭の中に響く。
『もっとお前に関わりのある深い言葉だ。』
そうヒントを与えられ、レンは母の名やリーマス、シリウスの名、思いつく限りの言葉を言ってみるがどれも違った。
ふと、リーマスが名付けてくれた自分の名前。それを思い出せば「ロータス?」と呟いてみせた次の瞬間レンの体は本棚の中に吸い込まれて行った。