「キミ達はわかってない!キミ達は…どっちもだ!…彼奴と正面切って対決した事なんてないじゃないか。まるで授業なんかでやるみたいに、ごっそり呪文を覚えて彼奴に向かって投げつければ良いなんて考えてるんだろう?本当その場になったら自分と死の間に防いでくれるものなんか何もない。自分の頭と肝っ玉とそういうものしか…ほんの一瞬しかないんだ。殺されるか拷問されるか友達が死ぬのを見せつけられるか、そんな中でまともに考えられるもんか!授業でそんな事を教えてくれた事はない。そんな状況にどう立ち向かうか、なんて…キミ達は呑気なもんだ。」
「ハリー!…落ち着いて。」
レンがハリーが続けようとした言葉を遮る様に言えばハリーはレンに怒った目を向け、レンはハリーの手を握った。
「…レンはそれを判ってくれてる。僕を、僕の気持ちをこうして理解してくれてる。だから落ち着ける、頑張ろうって勇気も出せたんだ、いつもいつも…。ただそれだけなんだよ。」
ぎゅっと痛いほど繋いだ手をハリーは握り返してくれた。
「ハリー…だから、だからこそ、私達には貴方が必要なの。私達は知る必要があるの。本当はどういう事なのかって…あの人と直面する事が…ヴォ、ヴォルデモートと…」
ハリーは初めてハーマイオニーがヴォルデモートの名を口にした事を驚き隠せない様子だった。
レンの方を、今の聞いた?と言いたげに見遣り、レンは優しく微笑み大きく頷いて見せる。
レンは片手を振るい、ボウルを元通りに戻せばハリーを座らせてその手をまた漬けさせる。
「教えてくれよ、なんでレンじゃなくて僕なの?」
「レンは…そんな状態じゃないって、私知ってるわ。レンにはハリーのサポートででも良いから余裕のある時に一緒に教えてくれたらなって…その思ってるの。…ハリー考えてみてくれる?」
「サポートって言うより、レンも先生としてなら、考えてみるよ。」
至って普通を装いながら「私は寝るわ」と寝室に戻るハーマイオニー。
ロンもぎこちなくハリーを「行こうか?」と誘ったがハリーはこれを片してから。と言うとロンは先に寝室に戻った。