血を飲んで力を奪うのならば、その儀式は先代の血を飲んでいた人も居るのだろうか?
「それで彼奴はアクアの血を殺す勢いで飲むが、逆にしてやられたのは彼奴の方だった。アクアはその血の力を奪い、彼奴が僅かに持っていたその力をも奪った。元々半端者と一族に呼ばれる程に力をあまり受け継いでこなかった彼奴の中に残ったのは、結界を張る。ただそれだけだった。アクア曰く、奴の力がブラックを傷つけた。これ以上一族の力が仲間を傷つけるのを許すわけにはいかないと、そういった道理だった様だが、無論彼奴にはそれは理解できずにアクアを心底恨んだのだ。」
スネイプから聞かされた母と伯父の関係。
もっと上手くやれなかったのだろうか?
あの伯父の性格からでは言っても無駄だと考えていたのだろうか…?
裏切りともとれる母の行動に直面した時の伯父と祖父母の事を考えると心が痛んだ。
「アクアは敵とみなした者には冷酷になれる。情けをかければその分仲間の命が危険に晒されるのでな。…例えそれが家族であろうとも。」
勿論敵とみなす前に、何か最善の策がある筈だと努力をし続けての事だとスネイプは付け加えた。
「伯父が私の事を、受け入れる事が出来ないのは、私が母の子だから、って理由だったのですね。」
少しショックな話だったが、謎だった部分が明らかにされ、どこかすっきりした気持ちだった。
傷が治りで歩けるようになったら、一度伯父のお墓にも挨拶に行こう。
レンは小さくそう思った。

学校が休みに入ってから間もなく、ハリーの護衛を密かに行う事が騎士団の任務になっていたのだが、そこでこんな事件が起こるとは多分誰も予想をしていなかっただろう。
ハリーの誕生日に"1人で歩けるようになったら1度逢いに行くわ"と手紙を付け加えてプレゼントを送ってから数日の8月になって間もなくの頃、マンダンガスがハリーの護衛にあたっていた時刻、急にその場の魔力に変化があった。
「あの人…戻ってきたら一発パンチをお見舞いしなくちゃいけないわね…!」
レンは信じられないといった様子でそう言う、と焦りの色を隠せない様子で慌てて瞳に巻かれている包帯を取り、縁なしの眼鏡をかける。
「レン?」
シリウスは掃除を一休憩し、リビングのいつもの席に居たレンの側に座りその様子を眺めていたのだが、彼女の動きに何が起こったのか不思議そうに声をかける。