「婆さん、これは何に使うんだ?」
そのコーナー一帯は、真っ黒な大きさも形もバラバラな水晶のコーナーだった。
「それはの、魔法の媒体じゃ。」
「媒体?」
「そう。お主のネックレスの様にの…やってみるかい?」
その言葉にレンは「やりたい!」と瞳を輝かせていて、ジョージはそんな彼女の姿に目を細め口元を緩ませた。
レンは手の平大の丸い水晶を選ぶと老婆が用意してくれた椅子に座り、ジョージは腰を屈めながらその手元を覗き込む。
「初めては何か花とか動物の姿とかそういった物の方が作り易いかの。何か想像できるかい?」
「うーん…」
そう言い首を傾げるレン。
なんか可愛いな、と呟きこぼし頭を撫でるジョージをレンは見遣れば「思い付いたたわ」と口元を緩ませた。
「それじゃ、その水晶を持って舞台をイメージするんじゃ。」
そう言われるとレンは大切そうに水晶を両手で持ち、ジョージの方を見上げれば「まだ見ちゃダメ」と唇を尖らせたので、ジョージは仕方なく店内を見て回る事にした。
そしてある物を見つければ、これは良いかも。と頬を緩ませるジョージと、品物を完成させ箱に入れれば同じ様に頬を緩ませるレンの姿があった。
それからレンはいくつかの物を買い、嬉しそうにしている。
そんな彼女の荷物を持ってやりながら手を繋ぎ、少し温まろうと三本の箒に寄った。
「ジョージ、その大きな方の袋、貴方にあげるわ。」
そう言いジョージは首を傾げ、開けても?と聞けばレンは恥ずかしそうに頷いて見せた。
袋から開ければ小さな箱、そして箱の中からは先程の水晶があった。
水晶の中には一本の木があった。
青々と茂った葉っぱにリスが2匹。木の実を取り合ったり何かを発見しては瞳を輝かせて悪戯しようとしているんじゃないかと思わされる2匹のリスだ。
そして何処かを見ながら楽しそうにしている所に、もう1匹色が濃いめのリスが上から器用に尻尾を使って落ちてくれば2匹は驚かされ3匹じゃれ合っているような光景が広がっている。
きっとこれは…レンから見た双子とリーの姿だろう。
終始楽しそうなそんな動物の姿にジョージは頬が緩んだ。